コンクリートを打設した後は大抵墨出しが待っている。
きっと
この記事を今読んでいるあなたは、
ほとんど「自分で墨出しをした経験がない」と感じるよ。
なぜなら
日頃から、自分でトランシットを振って墨出しをしていれば
タイトルに書いてある内容に対する対処方法は
自然と身についていると感じるから。
では
なぜ今回のテーマを取り上げたか?
というと、実際は他の職員や墨出し屋と呼ばれる測量会社の人が
墨出しを行っている場合には、自分の頭で悩まないので、
いざトラブルに直面した時に、どのように対応したら良いか分からないから。
もしも
あなたに対して作業員さんが
「トランシットで矩(かね)を振った時に角度が合わないし、全長も合いません」
という相談を投げかけられたらどのように答えるかな?
まず
墨出しの一番最初は、「大矩(おおがね)」といって、
基準となるX方向とY方向の墨を1本ずつL字型に出すのだけど、
L字型の基準となる点は、下の階から上げた墨や外部から光波で
落としたポイントが基準になる。
実際に
人間のすることには必ず「誤差」がつきものなので
下の階から上がってきた墨が、完全に毎回誤差が0ということは
まず有り得ないと考えておくべき。
もしも
「誤差が0です」
何て事になったら
「どこか間違ってない?」
と疑うくらいに、あって当然のものが「誤差」である。
大抵は、1~2mmくらいは普通に起こると考えて良い。
そこで
私の場合は、トランシットで90度振ってみて、
1~2mmくらいであれば、トランシットの矩を優先する。
更に
全長を測って、長さに応じてお互いのポイントを調整する。
具体的には、全長が2mm短ければ、お互いのポイントを
1mmずつ外にずらすという方法を取ることが多い。
そして
そのフロアで、全長も角度も0に補正した基準墨に修正する。
なぜなら
まだまだ上に躯体が上がっていく場合は、
枚フロアー基準を少しずつ修正しながら進めていかないと、
絶対に上の階で吸収できないくらいの誤差になっていくから。
だから
大切なのは、次に上の階に持って上がる数点のみ。
残りの墨が間違っていようが、基本的にはその階での
影響範囲で収まることが多い。
すると
大矩は大体決定するので、後は基準の墨に沿って
必要な所へ出していけば墨出しはだいたい終わる。
しかし
下から上げた墨が3~5mmくらい違う場合は、
もう一度下の階の墨を確認させることにしている。
間違いの無い人間なんていないので、
どこかで勘違いが発生する場合があるのが。
だって
下の階の墨はあなたがきちんと大丈夫である。
と確認した墨だから、そこまで大きな誤差になる事は
考えにくいからね。
すると
大抵の場合は、間違いや勘違いであるので
再度上げた墨からやり直すのである。
結局
一度でも自分でやったことのある人は
「当たり前」だと感じることも、立場上自分でしなければ
「未知の世界」ということは世の中にはたくさんあるから
そのようなあなたの為に、このブログがなると私は嬉しいよ。
つまり
コンクリートの打設後の墨出しで距離も角度も合わない場合は、
- 下の階からの墨が間違っていないか確認する。
- どこを調整すると一番被害が少ないか?を検討する。
更に
被害の少なさは、
- 長手優先で物事を考える。
- 測量機器を据える位置を微妙にずらす。
ことを念頭に置いて、1~2mm以内であれば合格
と考えるべき。人間の測量誤差って大体そのくらいだからね。
ここで
重要な事は、実際に墨出しをしたり、立ち会ったりする立場
の人って現場の中の地位もそこまで高くないと想像するけど、
どのような立場の人間であっても、トラブルの現場に居合わせたら
「決断」をする立場あであるということ。
「今までやったこと無いし分からない」
とは、基本的に通用しないと考えるべきだよ。
だから
こちらの記事も合わせて読むと効果的だよ。
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