まっすぐに掘った地中深くの一部分だけ
どのようにして経を拡げて掘ることが出来るのか?
あなたは疑問に感じたことは無いかな?
建築工事では一般的に「拡底杭」が使用されている。
拡底杭というのは、杭の先端部のみ掘削径が大きく、
例えるなら球根のような形状になっている杭のことである。
当然
1度でも実際に経験したことのある人はわかっているが、
工事を経験する前に「拡底部の掘り方」について聞かれた時に
私自身は不思議でたまらなく、正解にたどり着くことが出来なかった。
という記憶がある。
「えっ、拡底部に達したら油圧でオーガの形状が変わるの?」
確かに、掘削するオーガの形状が変わる必要があるのだが
油圧などの高度な物を使用していたかったから驚きだった。
それは
オーガの先端に可動するパーツを取り付けていて
何と「回転方向」を変更するだけで掘削径の変更が出来る。
と言っても「???」な状態であると感じるので
写真をここに載せておこう。
通常掘削時は、基本的には「正転(時計回り)」で掘削を行う。
すると、先程の2枚の写真の径が変化している部分が、
押し込められて強制的に縮まった状態で掘削が進んでいく。
そして
拡底部に達し「逆転(反時計回り)」で掘削を行った場合は、
先程とは逆に、可動部分は強制的に拡がってしまう結果となる。
ゆえに
拡底部分のみ拡がった掘削の孔壁が形成されるのだ。
当然、各工法において特許などを取得しているはずだけど、
本当にその通りに掘れるのか?については現場打ちの杭で
後壁を超音波で測定した結果を見るまでは半信半疑だったね。
つまり
拡底杭の仕組みとは、先端のオーガが逆回転することにより、
オーガの先端の部分が広がるという言葉では説明し難い
不思議な原理になっているのだ。
だから
杭打機を注意深く見ているとロッドの部分が正転(時計回り)か
逆転(反時計回り)かで現在どの過程なのか?を推測することが
できるのである、たとえ、杭の先端は見えなくてもね。
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