在来スラブの最小厚さが150mmなのは配筋が原因というのは本当か?

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在来スラブの厚さが120mmだと「何だか気持ち悪い」
と感じるのは私だけでしょうか?

 

これは

私の経験上の感覚なのであなたは同じ様に感じないかも知れません。
「ALCの床ならもっと薄いよ」と感じているかも知れませんね。

 

だけど

私の感覚的には在来のコンクリートスラブは150mmは欲しい。
というのが本音です。

 

実際に

設計図書をみても大抵は厚さが150mmから始まる事が多いですから。
では、今回はその理由をお伝えしていきましょう。

 

まず

鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説第5版 [ 日本建築学会 ]」の該当部分を確認して下さい。

 

スラブの厚さは構造計算およびRC規準(2010年版)で定める最小値〔解説表3.9〕によるほか, かぶり厚さ・使用する鉄筋径・粗骨材の最大寸法・仕上げの有無・関連する設備工事の埋設管の外径・開口部の有無とその補強方法などの条件で定まる.スラブ内埋設管の外径が小さく(30.5mmφ以下),開口部補強のない場合の,施工条件から定まるスラブの最小厚さは,下記の(イ)~(ニ)の仮定のとき解説表3.10のようになる. なお,スラブ筋がD10のみの場合は,施工時に乱れやすく,問題があるので,解説表3.10から除いている.これによると,複配筋スラブの最小厚さは150mm になる.同表は土に接しない部分の屋内スラブおよび耐久性上有効な仕上げのある屋外スラブの場合である.なお,遮音性能の確保の目的から厚さが決まることも多くなってきている.

(イ) 仕上げあり
(ロ) かぶり厚さ30mm
(八) 粗骨材最大寸法25 mm
(ニ) 開口部補強筋なし

解説表3.10は異形鉄筋の場合であるが,スラブ筋の配筋は異形鉄筋のリブが水平位置になり最外径(D)を幅にとって配筋する〔解説図3.7参照〕のが一般的であるので,スラブ厚さの算定では呼び名の数値で計算している.

解説表3.10の鉄筋のあき最小値(31mm )以上のスラブ内配管がある場合は,かぷり厚さを埋設管の外径に応じて割増しする必要がある,特に, 配管がスラブ内で交差するような
場合は, かぶり厚さが局部的に不足するので十分注意する必要がある.

■■解説表3.10 スラブの最小厚さ(単位:mm)

使用鉄筋 かぶり厚さ 鉄筋(4段) 鉄筋のあき最小値(厚さ方向) 最小厚さ合計 → 推奨最小値
D13のみ,D10・D13交互 30 × 2 =  60 13 × 4 = 52 25 x 1.25* =  31 143 → 150
D16のみ,D13・D16交互 60 16 × 4 = 64 31 155 → 160

[注]
(1) *粗骨材の最大寸法による規定は,最大寸法の1.25倍かつ25mm以上
(2) 本表は, 土に接しない部分で, 屋内スラブおよび耐久性上有効な仕上げのある屋外スラブに使用する.
(3) 本表は,(2)の条件で計画供用期問の級が短期・標準・長期の場合に使用する.
(4) 超長期の場合は(2)の条件で+20 (+10×2)とする.

 

つまり

ダブル配筋(復配筋)の場合は、鉄筋のかぶり厚さやあき寸法、
スラブの中に設置する設備配管のサイズを考慮すると自動的に
スラブの最小厚さが150mmになるという理由です。

 

このように

建設現場で出てくる「数字」については何らかの「根拠」があります。

 

なぜなら

何かしらトラブルが起きた時の影響がとてつもなく大きいからです。
高層ビルや橋桁、トンネルなどが倒壊してしまったら
とてつもない責任と費用がのし掛かってきまよね。
そんなトラブル持に「基準値を守っているか?」は非常に重要ですし、

「そもそも基準値は正しかったのか?」

についてはもっと重要なのは言うまでもありませんから。

 

更に

ここだけの話ですが、私が感じる本音の理由は「無駄なことはしない」
なのではないか?と想像してしまいます。

 

なぜなら

厚みや本数を減らせば当然ながら「コスト」も減ります。

具体的に言うと、厚さが3mm違うだけで平米あたり300円コストが違うと
100平米では3万円、1000平米では30万円違います。

チリも積もれば何とやらで、コスト削減する手間はみんな惜しみません。

 

しかし

本来満たすべきラインを越えてしまってはトラブルが発生して、
何倍にもなって自分に返ってきます。

 

だから

「どこまで責めても大丈夫なのか?」

を突き詰めていった結果、様々な数値には根拠が生まれたのではないでしょうか?

今回は、少し脱線してしまいましたね。

 

つまり

在来スラブの最小厚さが150mmなのは配筋で決まっていたのは本当か
については「本当」です。

スラブの厚さを構造的に決定するためには以下の4つの条件となります。

  1. 仕上げの有無
  2. かぶり厚さ30 mm
  3. 粗骨材最大寸法25 mm
  4. 開口部補強筋なし

そして

マンションなどの上下階に対する遮音に気を使うような建物においては
スラブ厚さは「遮音性能」からスラブの厚さが決まることが多いです。
建築の寸法にはすべてそれなりの意味があるという内容の記事でした。

あっ、そうそう

「寸法」のなりたちと言えば、過去にこんな記事も書いているのて
合わせて読むと理解が深まりますよ。

↓  ↓  ↓

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ただし「社外秘」や「会社独自の技術」じゃ無いよ。
あくまで、「私個人の感じる本音」だよ。

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