コンクリートの打設が終わった次の日は9割の現場で
「墨出し」を行います。
その後に
各型枠を建て込む所のレベルを計測しているのではないでしょうか?
それから
型枠を建て込む箇所に「敷桟」と呼ばれる「土台」のような物を
最初にセットした上に型枠のパネルを建て込んでいきます。
ここで
実は、私は「敷桟」は型枠工事の上で1番重要なのでは?と感じています。
なぜなら
型枠を組み立てる前のレベル管理が出来ていないと、
その後に建てる型枠の精度を保つことが出来ないからです。
何事も「土台」の精度が良くなければ、
その後の仕事の精度も上がらないですからね。
更に
外部に面する柱などで足元が水勾配ある所などは敷桟部分に
隙間が出来る事が多く、その隙間からコンクリートが漏れ出す
というトラブルが多いからです。
例えば
型枠大工さんによって異なるとは感じますが、敷桟の一番下には
「桟木」をコンクリートスラブ面に打ち付けるとします。
その上にパッキン代として10~15mm程度設けて、スラブのレベル差を
一定の間隔で設置したパッキンの枚数によって結果として水平になるように
調整した後に、型枠を建て込んでいくのです。
ここで
最初に桟木を打ち付けるは、床と壁との「切付」部と呼ばれる
取り合い部分を直角にするためです。
もしも
逆の場合だと、コンクリートがパッキンとパッキンの間隔の間に
生じる隙間からコンクリートが漏れ出すので床と壁との取り合い部分を
直角にするためには漏れ出したコンクリートを除去しなければならないからです。
一番下に桟木を設置した場合でも同様に漏れ出しますが、
平面上にコブが出るような状態になるので、除去する手間は
あまり掛かりません。
これは
スラブが水平の場合の話ですが、外部に面した柱の下部などは
水勾配があるために、パッキンの調整代が水勾配の分だけ
大きくなってしまい隙間が空いたままだと、コンクリート打設時に
かなりの量が漏れ出す危険性を秘めています。
だから
コンクリート打設前には、水勾配部の柱などの足元の隙間を
入念に確認しておくことをオススメしますよ。
最後に
「建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]」
の該当部分を確認して下さい。
P.436
(エ) 柱型枠建込み前に柱脚部の清掃水洗い等を行っておく。建込み後には、ごみ・おがくず等が入らない処置をとり、万一入った時は水洗い又はとがらせた鉄筋等で除去する。除去が難しい場合は 下部に掃除口を設ける。
(オ) 型枠組立の例を次に示す。
(a) 柱、梁の例を図 6.8.10 に示す。
(b) 柱、壁の下部の例を図 6.8.11 に示す。
図 6.8.10 型枠組立の例
図 6.8.11 柱、壁の下部組立の例
つまり
型枠工事の1番のポイントを敷桟にあるとTMが考える理由とは
- 型枠を組み立てる前のレベル管理が出来ていないと、その後に建てる型枠の精度を保つことが出来ないから
- 外部に面する柱などで足元が水勾配ある所などは敷桟部分に隙間が出来る事が多く、その隙間からコンクリートが漏れ出すトラブルが多いから
何事も土台がしっかりしていないと何かのトラブルで
崩壊してしまう可能性が高くなります。
基本の「キ」というのは大切なので、たまにはゆっくりと
基本を思い返してみてはいかがでしょうか?
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