コンクリートの形状がほんのチョッと配慮でサイズが毎フロア揃ったり、
入り組んだ形状を少し増打ちする事で型枠大工さんの労力が劇的に減れば、
あなたは非常に良いと感じませんか?
今の話だけを聞くと、なかなか断る理由が無いかも知れませんが、
現実的にはあまり採用されていないのが実情なのです。
では
一体なぜ採用されないのでしょう?
先ほど
メリットについてはお伝えしましたが、採用されないのは理由があるはず、
メリットよりデメリットの方が大きければ当然採用されないですからね。
そこで
私の中には2つの原因(デメリット)があると考えています。
まず
コンクリートの柱や梁のサイズを下の階と揃えて型枠大工さんの労力を
減らす場合においては、デメリットとして見掛けの躯体のサイズアップが
発生するのですが、同時に建物の自重もアップしてしまいます。
すると
構造設計者さんが、当初から見込んでいない荷重に対して「楽」だから
増やすと言うことに対して難色をしめすケースが9割位でしょう。
増えた荷重の影響が杭などまで及んだら対応出来ないというのが、
構造設計者さんの本音な所だと感じています。
だから
現場の意向の前に、設計者判断によってNGとなるケースが多いです。
次に
もしも、構造設計者さんがOKを出したとしてもコンクリートの数量増は、
直接的にコンクリート工事の費用の増大につながります。
すると
お金を管理している所長などから
「そんなん、こちら側で余計な金掛けて
型枠大工さんを儲けさせとるだけじゃないか!
挽回策が無いなら認めん!!」
と言われる可能性もあるのです。
別に
現場の中で誰が偉いとか偉くないとかは気にしたくない所ですが、
何となく立場上弱い位置にいる人へのメリットは採用されにくいです。
この話を読んで「いや、私は違うぞ!」と感じたあなたは
1度実践してみることをお勧めしますよ。
最後に
「建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]」
の該当部分を確認して下さい。
P.436
(イ) 一般的に、型枠工事の実施に先だち、型枠材料とその仕様の設計を行う。これらは型枠工事の品質、コスト、工程に大きく影響するが、コンクリート寸法の標準化が大きな要素となる。そこで、設計担当者と打合せのうえ、コンクリート寸法をできるだけ標準化する方向で検討するとよい。
つまり
型枠工事を軽減するためにコンクリート寸法を標準化する事で
転用を利かすなどのメリットを阻む、構造体のフカシの2大足かせとは?
- 躯体荷重の増加による構造計算の許容値オーバー
- コンクリート数量増加によるコストの増
片方は構造設計者よりのNGですが、他方は現場の上司からのNG。
それぞれに言い分があるので何が正解か?はケースバイケースですが、
あまりコストや躯体荷重に影響のない程度なら、一度あえて効率化を
失敗しても試してみることも、経験値としては良いと私は考えていますよ。
こちらの記事のようにね。
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