支持層が不安定な現場ってある。
私が実際に遭遇した現場では、10mの距離で
支持層が10m近く違っている事があった。
そんな、支持層が不安定な現場で懸念されるのが
杭の「高止まり」「低止まり」である。
そこで
鋼管杭、H型鋼杭の場合は一体どうなのか?
についてお伝えしよう。
まず
今回は最初に結論からお伝えするが、杭の種類が
先端部から杭頭部まで同一であれば処理は簡単。
「高止まり」をすれば、任意の場所で切断すれば良いし、
「低止まり」をすれば、必要分継ぎ足せば良い。
これは
支持層が不安定な現場で施工する上では非常に心強い。
その場で行き当たりバッタリでも対応できるからである。
現実的に、私も地上まで電柱のように鋼管杭が突き出した
状態で杭工事を終了し、掘削後に切断した杭もあるくらい。
しかし
ここで1つだけ注意してほしいのが「支持層が抜ける場合」。
具体的には
一旦支持層のような硬い地盤が出現しても、その後軟弱な地盤があり
更に掘り進めていくと、安定した支持層が出現する場合である。
そこで
目標のトルク値や電流値が発現したので安易に「支持層に達した」と
判断してしまい、「高止まり」として処理してしまうと後々大問題に
発展してしまう可能性がある。
だから
杭の高止まりについて判断する前には、しっかりとボーリング調査図を
確認して、支持層が抜ける可能性が有るのか?について議論しよう。
更に
杭の低止まりについても、継ぎ足し可能であっても鋼管が現場に無ければ
意味が無いので、あらかじめ杭の低止まりが予想される場合は「予備」を
用意しておくのもスムーズに現場を進める上での戦略の1つだと感じるよ。
更に更に
途中で、鋼種が異なる杭の場合は、あらかじめ切断可能長さや、
継ぎ足しの方法などを工事監理者さんと協議しておくと効果的だよ。
つまり
鋼管杭、H型鋼杭が高止まり・低止まりした場合は
鋼種や厚みなどが杭全体として変わらなければ、
「継ぎ足し」や「切断」が可能である。
だから
支持層が不安定な地盤においての品質的な懸念事項が
少ないというメリットがある。
しかし
回転圧入杭の場合はトルク値で管理するので、
支持層が浅めに出た場合に、その後に支持層が「抜ける」
可能性がある地層か?については慎重に判断しようね。
更に
既製コンクリート杭の場合の高止まり、低止まりについては
こちらの記事で書いているので合わせて読んでおこうね。
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