一般階でこれをしてしまう作業員さんはまだまだ知識が足りない初心者です。
だけど
意外と地中梁の場合は、現場監督でさえも正解が分かってなかったりする
「落とし穴」について今回はお伝えしましょう。
今回議論したいのはこちらの梁のあばら筋の納まりの場合です。
こちらのキャップタイ部分は下記の[注]として注釈がついています。
P.212
[注]副あばら筋末端部の180°もしく は135°フックは,スラブが取り付く側(一般的には梁の上側)に限り90°フックとしてもよい.ただし,梁の端部で主筋の降伏が予期される領域では135°または180°フックを原則とする.
また,キャップタイはスラブが取り付く惻のみ90°フックとできる. ただし,梁とスラブに段差がある場合は135°フックとする.
このキャップタイですが、実際には片側が135度で反対側が90度という
形状をしている場合が非常に多いです。
なぜなら
両端とも135度であれば、取り付ける時には主筋の幅を狭くしないと
取り付ける事が出来ないからです。
「いやいや、そんなことは言われなくても分かってるよ!」
という声が聞こえていますが、話を次に進めます。
実は
先程のフックの向きについてのルールがあります。
90度のフックは必ず「スラブが取り付く側」に設置しなければいけません。
135度のフック形状に比べて90度のフック形状の方が外力に弱いので
スラブと連結している側に持っていく方が構造的なリスクが少ないからです。
だから
外周部の梁であれば全て90度のフックが内側に、
両端にスラブが取り付く場合は90度のフックを
交互に設置することになります。
ここで
冒頭の話に戻ると、一般階では構造スラブ用の型枠などが設置された状態で
梁の配筋を行うので
「梁のどちら側にスラブが取り付くか?」
は子供でもわかるレベルなのは想像つきますよね。
しかし
地中梁の場合は簡単ではありません。
その梁のどちら側にスラブが取り付くか?については
図面を理解していないと正解は分かりませんし、
取り付くスラブが構造スラブなのか?についても
把握しておく必要があるからです。
だから
全ての配筋が終わって検査段階で指摘されるまで
誰も気付いていないという事態も実際に発生します。
もしも
あなた自身がそんなリスクを犯したくないなら、状況にもよりますが
一体型のあばら筋形状で組み立てて貰うように
あらかじめ鉄筋屋さんと打合せをしておくべきですよ。
つまり
梁筋のあばら筋(スタラップ)のキャップの落とし穴とは、
基本は135度フックであり、90度フックが許されているのは
スラブが取り付く側のみであるという事です。
しかし
両側にスラブが取り付く場合は、キャップの135度の向きを
交互に設置することが通常の納まりのため、経験の浅い作業員さんは
外周部の梁などにおいても同様に交互に設置してしまう危険性が
あるので注意が必要です。
だから
梁の配筋写真を撮る段階であばら筋の向きを確認しておけば、
スラブ筋なども組み立てていないので手直しも楽に済むし、
配筋検査前などであなたが恥をかくリスクの減りますよ。
まだ
この段階であれば、こちらの記事のように悩むことも
少ないはずですからね。
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