あばら筋の配筋に見られる基本の「キ」の欠落事例とは?

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鉄筋屋さんって放っておいても図面を理解して正確に鉄筋を組んでくれるはず。
だって、「プロフェッショナルだから」とあなたはついつい感じませんか?

 

実際に

鉄筋屋さんを完全に信頼していると思わぬ初歩的な段階で
指摘されて恥ずかしい思いをすることもあるから注意が必要ですね。

 

今回は

そんな、私のちょっぴり恥ずかしい話をお伝えしましょう。

 

それは

ある配筋検査の日でした。その日の配筋検査は型枠を組む前の
地中梁の純粋な配筋状況を確認する検査でした。

 

突然

「TMさん。ここの柱と梁の関係を教えて!」

と言われたのです。

「えっ~とですね。ここの柱の位置は…」

と説明しようと現地をみると「うっ…」とその先の言葉が出なかったのです。
同時に、何故工事監理者さんが指摘したのかも分かりました。

 

なぜなら

柱と取り合う梁の端部ギリギリに設置されているはずの
あばら筋(第1スタラップ)が非常に曖昧な位置にあったからです。

梁の端部のあばら筋(第1スタラップ)は梁と柱の境界線の
梁側のギリギリに設置すべきもので、梁の両端に設置したうえで
中のスパンを配筋のピッチで割り込むべきなのに
現実は、片側の端から所定のピッチで配筋して
最後は中途半端を残してそのままだったのです。

「いやいや、そんな事ないやろ!普通はピッチをしっかり割るで~!」

とあなたは感じたかも知れませんね。
私もその時は同じように感じました。

 

しかし

結果としては先程述べた通りです。言い訳のしようもありません。
だから、あなたも

「最初はちょっぴり疑って、誰にも言わずにこそっと確認して貰えませんか?」

 

もしも

取り越し苦労だったらラッキーですからね。

 

最後に

鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説第6版 [ 日本建築学会 ]」の該当部分を確認して下さい。

 

P.216

(1) あばら筋:(1)では,(i)ハンチなしの場合,(ii)ハンチ付きの場合のあぱら筋の割付け方を示している.(i)は柱コンクリート面に配筋した第1あばら筋を基準に所定問隔で割り付け,反対側の柱コンクリート面の第1あばら筋との問で間隔を調整する.

端部と中央部であばら筋の間隔が翼なる場合は端部区間を前記の方法で配筋し,内法スパンl0/4 の点を通り越して端部区間の配筋を終わり, 次に中央部の間隔で割り付け,1/4点の手前で中央区間の配筋を止め, さらに端部の間隔で残りを配筋する.

このようにして配筋した最後の間隔は, 所定の間隔以下になるようにする.(i)はハンチ区間内を端部あばら筋とし,ハンチ起点間の中間部を中央部あばら筋として配筋する場合を示す.一般のハンチ起点には設計図書であばら補強筋が示されているので, 端部と中央部をそれぞれ第1あばら筋~ あばら補強筋問間,あばら補強筋間として設計図書に従い配筋する. 設計上(i)および(ii) と異なるあばら筋の割付けを行う場合は設計図書に特記する.

 

つまり

あばら筋の配筋に見られる基本の「キ」の欠落事例とは、
最初に梁端部の始まりの個所(第1スタラップ)の位置を
明確にせずに、端部からの片追いで最後をあいまいに
していることです。

 

それは

現場を見て柱と梁との境目があいまいな状態であばら筋が
配筋されている場合には、その場で

「この梁の第1スタラップってこの位置で良いの?」

と質問することが非常に効果的です。

 

だから

質問した回答によっては、今後の配筋を注意深くチェックする
必要があるので、意外と重要な質問内容なのです。

 

また

現場で一瞬で職人さんの能力を見抜く方法はこちらでも
記事にしているの合わせて確認してみて下さいね。

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