鉄骨工事の基本のキ!知っておくべきトルシア形高力ボルトの締付手順

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鉄骨造だと、ほぼお世話になるのが「トルシア形高力ボルト」。
でも、ただ締めれば良いというモノではありません。

ちゃんと手順があるのです。

細かいことは、次回以降にお伝えするとして、今回は全体の流れを
中心にお伝えしていこうと考えています。

 

まずは

トルシア形高力ボルトを入れる前からですが、トルシア形高力ボルトを
鉄骨の組立時に使用すると、応力が掛かって傷などがつくので、
「仮ボルト」という別のボルトを使って組立(建て方)を行います。

その「仮ボルト」を締めて、スプライスプレートと鉄骨を密着させる。
というのが最初の工程です。

トルシア形高力ボルトは軸力管理なので、事前の準備を行って
期待されている軸力が出るような状況にしておくということが大切です。

 

次に

仮ボルトが入っていないボルト孔にトルシア形高力ボルトを差し込んで
ナットをボルトに入れて、ゆるく締めます。
(あとで、シャーレンチで締めるので大体で良いです)

これで、ボルト締め作業前の段取りが完了です。

 

いよいよ

シャーレンチの登場です。一次締めを行います。

 

この時に、きちんとシャーレンチが一次締め用になっているか
鉄骨鳶さんに確認してもらってくださいね。

 

もしも、本締め用だと

「ウィーン!」

と、シャーレンチが鳴った後に、ピンテールが取れてしまって、
お互い顔を見合わせて「………」となってしまうからです。

そうなったら、一旦締めたボルトを外して新しいボルトでやり直しです。

 

一次締めというのは、所定のトルクをボルトにかけることで、
板との密着をはかり、均等に軸力を掛ける事により、次の本締めの
回転を管理しやすくしています。

 

次に

マーキングをします。

マーキングとはボルトの軸~鉄骨母材まで一直線でペンで線を引きます。
このマークが本締めでずれることによって、どのくらい回転したのか?が
分かるようになっています。

 

最後に

本締めをします。

トルシア形高力ボルトの場合はピンテールが破断するまでトルク(力)を
かけることにより、所定の軸力で締付が行われたことを示します。

あなたが、最後にピンテールが破断している事と、マーキングがナットだけ
回転して、供回りを起こしていないことを確認しておいて下さいね。

これで、トルシア形高力ボルトの締付は完了です。

 

最後に

公共建築工事標準仕様書 建築工事編(令和7年版) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]
の該当部分を確認して下さい。

トルシア形高力ボルトだけでなく、高力ボルトのナット回転法についても
合わせて読んでおいて下さい。

 

P.98

7.4.7 締付け

(1) 本接合に先立ち、仮ボルトで締付けを行い、板の密着を図る。
なお、仮ボルトの締付けは、7.10.5の(2)から(4)までによる。
(2) 締付けに先立ち、ボルトの長さ、材質、ねじの呼び等が施工箇所に適したものであることを確認する。
(3) ボルトを取り付けた後、一次締め、マーキング、本締めの順序で本接合の締付けを行う。
(4) 1群のボルトの締付けは、群の中央から周辺に向かう順序で行う。
(5) 一次締めは、表7.4.2によるトルクでナットを回転させて行う。
(6) 一次締めしたボルトには、ボルト、ナット、座金及び母材 (添え板) にかけてマークを施す。
(7) 本締めは、標準ボルト張力が得られるよう行い、次による。
(ア) トルシア形高力ボルトは、専用のレンチを用いてピンテールが破断するまで締め付ける。
(イ) JIS形高力ボルトは、トルクコントロール法又はナット回転法で締め付ける。
なお、ナット回転法の場合のナット回転量の規定値は、120°(M12は、60°)とし、ボルトの長さがねじの呼びの5倍を超える場合の回転量は特記による。
(8) 着氷のおそれがある場合は、締付け作業を行わない。ただし、適切な措置を講じ支障のない場合は、この限りでない。

表 7.4.2 一次締付けトルク
ねじの呼び 一次締付けトルク (N・m)
M12 50程度
M16 100程度
M20、M22 150程度
M24 200程度

 

 

建築工事監理指針(令和7年版上巻)

P.559

(2) トルシア形高力ボルト及びJIS形高力ボルトの締付けは、一次締め → マーキング → 本締めの 2度締めにより、ナットを回して締め付けるのを標準とする。締付け順序を次に示す。

なお、「F14T級」高カボルトの締付け手順も同様である。

 

 

つまり

高力ボルトの締付手順は、

  1. 仮ボルトによる締付(板の密着をはかる)
  2. 本ボルトでの一次締め
  3. マーキング
  4. 本締め

の2度締めにより、ナットを回して締め付けるのを標準とします。
そして、一群の中央から周囲に向けて締めていきます。

 

この手順は、各工程が正しく行われている事を確認するために、
各工程ごとに工事写真を撮っておくべき内容です。

写真を撮られる作業員さんも慣れたもので、各工程で写真を
撮り終えるまで待ってくれたりしてくれることが多いので、
焦らずに記録にとどめておきましょうね。

この記事を読んでいる、あなたは現場監督初心者かもしれませんね。
であれば、こちらの記事も合わせて読んで1つでも失敗をなくしてくださいね。

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