軽量コンクリートを打設する時に注意すべき3つのポイントとは?

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軽量コンクリートって私自身一度も使ったことが無いです。
屋上の保護コンクリートも何だかんだ普通コンクリートで大丈夫だったので、
なかなか使用する事がなかったのです。

 

しかし

この記事をあなたが読んでいると言うことは、打設の機会があるはずなので、
今回は一般的な普通コンクリートの管理に加えて、軽量コンクリートで
注意していただきたいポイントをお伝えします。

 

まず

人工軽量組骨材を練り混ぜる時には、十分に吸水させる必要があります。
普通コンクリートの骨材よりも人工軽量骨材の方が吸水が少ないと、
スランプ低下やコンクリートポンプ車による圧送時に閉塞を起こす
危険性が有るので、配管による輸送距離が100m以上になる場合は、
状況に応じて圧送管の径をアップさせるなどの検討をすると良いでしょう。

 

 

2つ目は

人工軽量骨材は比重が軽いために、コンクリート打設時にバイブレーターを
長時間掛けてしまうと粗骨材が浮き上がってくる恐れがあります。

 

たがら

バイブレータを掛ける時間を普通コンクリートと比較してより短時間で
効率的にかける必要あるので、注意して管理して下さいね。

 

 

3つ目は

普通コンクリートに比べて、軽量コンクリートは打設後のブリーディングの
沈降が大きいのが特徴です。

 

だから

上部躯体全体を軽量コンクリートで打設する場合は、柱・壁の後に梁、
そしてスラブの打設という風に各部材を順序良く打設しないと
ブリーディングによる沈降ひび割れが生じる危険性があるので、
急いで次の部材に打ち急ぐというよりは、一呼吸おいて次のステップに
進むような余裕を持った打設計画を立てることをオススメしますよ。

 

最後に

建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]
の該当部分を確認して下さい。

P.488

(1) ポンプ圧送を行う軽量コンクリートの練混ぜ時の人工軽量組骨材は、あらかじめ十分に吸水させたものを使用しなければならない。これは、 6.10.3(3)に示されるスランプの低下や、圧送による圧力吸水を防止するための対策である。表 6.10.2 に示すように、製造所出荷時の吸水率はこれらの値を満足するように管理されているので、入荷後の乾燥を防止する対策が十分とられていることを確認することが大切である。

軽量コンクリートを圧送する場合には、骨材の圧力吸水によるスランプの低下や輸送管内での閉塞を生じるおそれがあり、この傾向は特に圧送距離が長い場合に顕著である。この対策としては、輸送管の径を大きくするほかに中継ポンプの使用や他の運搬方法との併用等が考えられるが、「標仕」では輸送管の径を大きくする方法を採用し、輸送管の水平換算距離が 150 m 以上になる場合には輸送管の呼び寸法を 125A 以上とし、圧送を容易にしている。

 

(3) 軽量コンクリートの打込み及び締固めでは、人工軽量粗骨材の密度が小さいためモルタルが沈降し、粗骨材が浮き上がって分離する傾向にあり、また、自重が軽いため型枠の隅々や鉄筋の回りにいきわたりにくくなる。バイプレーターによる横流しを厳禁したり、高所からのコンクリートの投入を避けるなど分離を生じない方策を徹底するとともに、バイブレーターの選定に当たっては、周波数の高いものを用いるようにする。振動機の1度の差込み時間は 5 秒程度とし、かけ過ぎないようにする。

軽量コンクリートは、普通コンクリートに比べてブリーデイングによる沈降が大きく打込み順序を適切に定めないと沈降に伴うひび割れを発生する。したがって、壁及び柱に打ち込んだコンクリートが落ち着いた後に梁を打ち込み、梁のコンクリートが落ち着いた後にスラブを打ち込む基本 (「標仕」6.6.3 (7)) を忠実に守る必要がある。

 

つまり

軽量コンクリートを打設する時に注意すべき3つのポイントとは以下の通りです。

  • 人工軽量組骨材を練り混ぜ時に十分に吸水させる必要があり、かつ現場では乾燥に注意しないと圧送管の閉塞などのトラブルが発生する
  • 骨材が軽いために粗骨材が浮き上がってくるのでバイブレータの時間を減らす必要がある
  • ブリーディングの沈降が大きいので、各部材を順序良く打設しないとひび割れが生じる危険性がある

この3つのポイントを読んでいると、普通の骨材に比べて人工軽量骨材
の場合の方が、コンクリートの打設に関して「シビア」に管理をしないと
いけないという印象が強いですね。

 

ここで

コンクリートの打設の基本のポイントについて一度おさらいを
しておいた方が、軽量コンクリートを打設する為にプラスになると
感じるので、是非こちらの記事も合わせて読んで下さいね。

↓ ↓ ↓

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