片持ち階段の構造を支えているのは見落としがちな○○鉄筋

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階段は大きく分けて構造的に2つの種類に分類されます。

主に屋内階段に多く、四周を梁で囲まれた中に階段が設置されている
いわゆる「スラブ式」の階段と、逆に屋外階段に多く採用されている
中心部の壁から階段を片持ちスラブ的に支えている「片持階段」です。

 

今回は

「片持階段」の特徴についてお伝えしていきましょう。

 

まず

「片持階段で構造的に最も主要な鉄筋って何か分かりますか?」

 

答えは

片持ちスラブを考えると分かってくるはずです。
片持ちスラブの場合は梁から腕のように伸びるスラブを
構造的に支える主筋方向の上筋が重要でしたよね。

「えっ?そうだっけ?」という人は記事の最後に
片持ちスラブの記事のリンクを付けていますので
そのリンクからもう一度読み直して下さい。

このように、私の記事は基本的に関連性のあるだろう
記事へのリンクを最後に付けることで「知識が単発になる」
事を防いで、出来るだけ「連続性のある深い知識」
になるように気を付けています。

少し脱線したので本題に戻りましょう。

 

ここで

片持ちスラブの主筋方向の上筋と同じ役割をしているのが
「階段主筋(段ばな筋)」と呼ばれる、階段の踏み面の先端部に
壁から直交して出ている鉄筋です。

大抵、あなたが組終わった鉄筋の上を歩くときに、
踏む場所ですよね。

 

だから

片持階段の構造は、中央の壁から出ている階段主筋が、
段のピッチで支えているのです。

 

しかし

今回、私がお伝えしたいのは「階段主筋」ではありません。

 

なぜなら

階段の配筋を組むのに「階段主筋」を忘れて組むことは不可能でしょう。
段々になっている「イナヅマ筋」の出っ張っている部分に結束されるのが
「階段主筋」なので、忘れていたら素人でも見つけることが出来ます。

 

では

一体何が伝えたかったのか?というと片持ちスラブの時にも
「上筋の位置が非常に重要である」という事も言ったはずです。
この「位置」を決めるための鉄筋が片持階段にはあるのです。

 

それが

「階段受け筋」です。

 

具体的には

階段の受け壁の中に設置される、段の傾斜に合わせて
斜めに設置されている鉄筋の事です。

この「階段受け筋」を適切に配置することにより、
階段主筋の位置を保持する機能があるのです。

 

しかし

階段受け筋は階段の壁の型枠を組んでしまうと
覗き込まないと見えない状況になってしまいます。

 

だから

現場を上り降りするときに階段の鉄筋が組上がった状態で

「よしよし、ちゃんと受け筋入っているな」

と確認しながら歩いて見ることをオススメしますよ。

 

最後に

鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説第5版 [ 日本建築学会 ]」の該当部分を確認して下さい。

 

P.253

a.片持階段と受け壁

この形式はもっとも多いものであり,壁からの片持階段である.壁への定着は,片持スラブと同様に行う.この片持階段で注意すべきことは次のとおりである〔解説図9.17 参照〕.

i)階段主筋(段ばな筋)は1-D13以上とする.壁内には段ばな筋の位置を保持するための受け筋を配筋する.

ii)いなづま筋はD10@200とし,受け壁面より約50 mm の位置に第1いなづま筋を配筋する.

iii)階段受け壁は片持階段の固定端曲げモーメントを受けるので,その応力に見合う縦筋の補強が必要である.一般には,この補強筋を応力の大きい部分のみに階段の傾斜に沿りて配筋するのが多い.しかし,この施工はきわめて煩雑である.そこで縦補強筋が必要な場合は,解説図9.17(b) のように片持階段の段床部のみに限って壁筋と同じく上下の梁に定着させる配筋方法が好ましい,
なお,踊り場は3辺固定または2辺固定スラブとなる.

 

解説図9.17 片持階段

 

つまり

片持ち階段の構造を支えているのは、型枠を組み立てた後では
影に隠れて見落としがちな「階段受け筋」です。

こちらの「階段受け筋」は片持ちスラブで言うと主筋方向の上筋
と同じような応力に対して必要な鉄筋なので階段の壁内に
設置されて見落としがちではありますが、しっかりと確認を
忘れないようにしておきましょう。

 

ちなみに

片持ちスラブについてはこちらで記事にしているので
合わせて読むと理解がより深まりますよ。

↓ ↓ ↓

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