梁の腹筋は一般的にはあばら筋の内側に取り付けます。
「えっ、そうでした?」
というあなたは現場に出て確認してみるか?
以前撮影した配筋写真を確認してみて下さいね。
ちなみに
腹筋は梁を組み立てる時には、一番最後に組み立てます。
組み立て終わったあばら筋の中に腹筋を差し込んで、
梁の中に手を突っ込みながら組み立てます。
「外側に取り付けれるなら楽なのにな~」
と当時の私が思ったかどうか?覚えていませんが、
基本的に腹筋はあばら筋の内側に取り付けるというのが
私の中の当たり前になっていました。
そこで
今回のテーマですが、最初に答えから言うと
「腹筋をあばら筋の外側に取り付けても条件を満たせば問題ない」
という結論になります。
ここで
「条件ってなに?」という声が聞こえてくるので説明しましょう。
まず
通常の納まりのまま腹筋をあばら筋の外側に取り付けると、
腹筋部分のかぶり厚さが確保できなくなる可能性が高いです。
かぶり厚さは大抵あばら筋を基準に確保するように加工されているので
D10の腹筋をあばら筋の外側に取り付けるなら
全体的にあばら筋の幅を20mm小さく加工すべきですし、
主筋の間隔が狭まるので、主筋の空き寸法の確認や、
構造的に大丈夫か?という確認も厳密には必要なのです。
以上を踏まえてあなたが腹筋の外側につけるのであらば
全く問題ないですからね。
最後に
「鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説第5版 [ 日本建築学会 ]」の該当部分を確認して下さい。
P.218
腹筋の配筋には2つの方法がある.解説図9.5 の(a)を内付け法,(b)を外付け法と呼んでいる.
(a)は一般に用いられている配筋方法で,腹筋をあばら筋の内側に配筋する. 施工的には多少やりにくい.
また,( b) は腹筋をあぱら筋の外側に配筋する方法である.腹筋によって,あばら筋のはらみ止めを特に堅固にする必要がある場合や,あばら筋に鉄筋格子を使用する場合に用いられている.
施工の手順を考えると,(b)は(a)に比べて合理的であり, 配筋作業も簡単であるが, 梁筋の間隔が狭くなることや幅止め筋のかぶり厚さの確保に注意する.
つまり
腹筋があばら筋(スタラップ)の外側に配筋されていたら間違いなのか?
については、他の条件が満たされていれば間違いではないです。
なぜなら
腹筋には、元々あばら筋の内側に配筋する納まりと、
外側に配筋する納まりの2通りがあるからです。
しかし
腹筋をあばら筋の外側に配筋することにより、
かぶり厚さの検討が必要となり、主筋位置やあばら筋の寸法も
あらかじめ小さくしておかなければなりませんから、
結局は腹筋を内側に納めるのが一般的なのです。
あっ、そうそう。
梁筋の腹筋とかぶり厚さとの関係の記事を過去に書いたので、
合わせて読んで理解を深めて下さいね。
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