コンクリート打設でトラブルになりそうなポイントとは?(柱編)

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柱はコンクリート造の建物において上階の荷重を下階に伝えたり、
地震時の水平力に耐えたりする重要な部材です。

 

だけど

コンクリートを打設しようとすると意外とつまづきやすいポイントなのです。

 

例えば

みんなが「順調に打設したい」という気持ちが強すぎて、
柱の1回目の打設高さを上げてしまうと足元の勾配などで生じる隙間をふさぐ
「間詰めのモルタル」や「薄ベニア」などの処理が不十分な箇所から
コンクリートが噴き出してしまう可能性があるのです。

 

だから

柱や壁などの足元は、順調に打設したいのであれば「ぐっ」と我慢して
少し控えめに1回目の打設高さを設定する方が、足元のトラブルを防止して
2回目からの打設をスムーズに進めるためには有効だと私は考えています。

 

それから

1度に打設する高さや早さを大きくすると、コンクリートの側圧が
型枠へ一気にかかりやすく変形や最悪の場合は壊れてしまう危険性があります。

 

もしも

あなたが型枠の構造計算を実際にしたことがあるのなら分かると思いますが、
コンクリートの打設に際して、型枠には想像以上の外力が掛かります。

「このくらいなら大丈夫だろう」

と勝手に決めずに、必ず型枠大工さんと相談しながら打設高さを
コントロールしていって下さいね。コンクリートを打設する側は
出来れば1度に上まで打設した方が楽なので、コントロールするのは
あなたと型枠大工さんしかいませんからね。

 

続いて

階高がある建物では上部から打設すると材料分離する危険性があります。
だからホースを柱の中までおろして材料分離しないように打設するか、
柱の途中に打設用の開口を設けることも必要です。

打設している最中は、そこまで「不具合になっている」という感覚は
無いかも知れませんが、脱型したあとに

「あ~、そう言う事か~!」

と気付いても「後の祭り」ですからね。

 

最後に

建築工事監理指針(令和7年版上巻)
の該当部分を確認して下さい。

P.411

(イ) 柱の打込み

(a) 柱の打込みは、コンクリートを一度スラブ又は梁で受けた後、柱各面から打ち込む。
梁筋と柱筋の交差している箇所から打ち込むと、特に分離しやすい (図 6.6.2参照)。

(b) 吐出する向こう側のせき板にコンクリー卜が直接当たらないように、小形受け桝等で受けてから鉛直に落とす。

(c) 高い柱 (4.5m ~ 5m以上) に打ち込む場合は、次のようにするのがよい。

① 最上部から縦形シュートが使用できるときはこれを利用して、常に打上げ面近くでコンクリ ートを放出する。

② 縦形シュートが使用できない時は、柱中段のせき板に打込み口を設け、外部にポケット状のたまり場をつくり、コンクリートがゆったり落ちていくようにする (図6.6.3参照)。

 

図 6.6.2 柱の打込み (各面から打ち込む)

 

図 6.6.3 柱の打込み (高い柱を打つ場合)

 

P.414

 

図 6.6.7 各部位に起こりやすい打上りの欠陥

 

 

つまり

柱のコンクリートの打設に伴う注意ポイントは以下の3つです。

  1. 足元の隙間からコンクリートが噴き出す可能性が高いので、コンクリートの打ち始めに足元の状態をよく見て必要があれば少し時間を置くことが必要
  2. 独立柱であれば、コンクリートが一気に上まで打ち上がっていくので、型枠に対して側圧が一気にかかり強度的に持たない危険性がある
  3. 階高がある柱でホースを突っ込まずにスラブ上から打設すると材料分離する危険性がある

柱はバタバタするコンクリート当日の中で1番もしくは2番目に打設する部位です。
そこで、いきなりコンクリートが噴き出す等のトラブルに見舞われると
せっかく立てた1日の計画がいきなり無駄になってしまう危険性があります。

 

特に

柱の足元の間詰めについては「型枠工事」の範囲内なのか?
常傭の土工さんで処理すべき範囲内なのか?については、
事前に打合せて役割分担を決めておく必要がありますね。

大切なのは、「仕事の範囲を明確にする」という事です。
こちらの記事の様にならない為にもね。

↓ ↓ ↓

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