柱や梁と壁が同面の場合の鉄筋の納まりで気をつけるべき事とは?

Sponsored Links
/* */

 

外壁ラインを平滑に見せたいときは柱や梁に対して壁のラインが
「同面」で納まっていることがよくありますよね。

今回は、柱や梁に対して同面で納まる壁の配筋についてお伝えします。

 

まず

「あなたは柱と壁が同面の場合は、壁の鉄筋を柱の内側に納めますか?
それとも、外側に納めますか?」

 

もしも

壁筋を柱の内側に納めた場合を考えると、柱の主筋の内側へ
壁筋の横筋が納まってきます。すると、外部からのかぶり厚さが
80mm程度になってしまいます。
(後で、図が出てきますのでそこまでは頑張って想像してください)

 

すると

本来のかぶり厚さに対して2倍もの数値になってしまいます。
一方、壁の内側で本来の壁の耐力を得るための壁厚を確保した場合には
外壁面からの壁厚では確保できないのです。

 

つまり

壁の配筋を柱の内側に納めた場合は、壁の外側に増打ち部ができます。
この、増打ち部は重量的にもコスト的にも「無駄」だと私は感じてます。

 

ここまで説明した所で、「鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説第6版 [ 日本建築学会 ]
の該当部分を確認してみましょう。

 

解 説図3.16のように柱および梁面と耐力壁の壁面が同一である場合は,壁筋の納め方によっ ては,同一面側の壁筋のかぶり厚さが,目地深さや縦筋と横筋の位置関係によって打増しの量も変わり,解説表3.11の最小厚さに比べ厚くなる. また,梁筋によって縦筋・横筋の配筋順序で壁筋の片寄り寸法も変わるので,過大な打増しが生じる場合もある,

解説図3.16 壁筋の納まりによる打増しの例

 

「どうでしたか?解説図はあなたのイメージ通りでしたか?」

 

だから

私の考えとしては、柱や梁と壁とはそもそも設計かぶり厚さが違うので
柱や梁の外側に配筋した方が良いと考えています。

 

しかし

「壁の応力は柱に伝わって基礎まで行くのだから、柱の中に納まるべきでは?」

とあなたは考えているかも知れません。
もしかしたら、あなたは全く考えていなくても工事監理者さんが考えているかも…。

 

だから

一応、確認しておいて損はないです。もしくは、最近の記事の内容を
「配筋納まり詳細図」として1枚にまとめて確認してもらえば良いし、
次の現場でも「使い回せる部分」はありますからね。

 

ちなみに

私は柱の外側に壁筋が納まることは、梁筋の上にスラブ筋が
納まってくる事と同じではないかと考えていますよ。

 

つまり

柱や梁と壁が同面の場合の鉄筋の納まりで気をつけるべき事とは、
柱や梁の主筋の内側へ壁筋を配筋する場合は、過大な打増し部が
必要になってしまうため壁厚が過大になる事が多いのです。

 

逆を言うと、

柱や梁筋の内側へ壁筋を配筋する場合に壁厚が最小壁厚であれば
構造的にどこかが破綻しているという事になりますからね。

 

だから

壁筋は、柱や梁の外側へ配筋して必要なかぶり厚さが確保できるか?
を確認した方がトラブルは少なくて済みそうですね。

 

更に

柱と梁が同面の場合はそれぞれの最小かぶり厚さが同じなので
こちらの記事を参考に配筋の納まり検討をしようね。

↓  ↓  ↓

  • コメント: 0
banner11

Sponsored Links


関連記事

  1. 施工計画書の裏側!添付資料はあなどるな!検査であせった出来事とは?

  2. 材料置き場の計画は現場運営のセンスが命!3つのポイントとは?

  3. コンクリートの圧縮試験費用を低減したい時にひらめく悪魔の囁きとは?

  4. 捨てコンクリートの役目とはそもそも何なのか?5つの役目(2)

  5. 玉掛ワイヤーの点検時に本当によくある間違いとは?

  6. 柱や梁の出隅部分の端部にフックが必要な理由と隠れた気配りとは?

  7. 梁の主筋が納まらない時に、勝手にしてはイケない事とは?

  8. 杭の余掘りは1mなのか?最終掘削深さの算出時に確認すべきこと

  9. 鉄骨工事の施工計画書に関するチェックのポイントとは?(1)

コメント

  • コメント (0)

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

プレゼント付無料講座開催中
kouza
仮設 syoseki
プロフィール
myImage

作者:TM


私の職業は「建築現場の現場監督」。
何だかんだで15年働いている。
その15年分のノウハウを若い現場監督さんのために、全て暴露しくよ。

なぜ、キツイ建設業界で働き続けているのか?
その秘訣がしりたいあなたは
今すぐこちらをクリック

↓ ↓ ↓

詳しいプロフィールはこちら


あっ、
ただし「社外秘」や「会社独自の技術」じゃ無いよ。
あくまで、「私個人の感じる本音」だよ。
最新記事・おすすめ記事
  1. ボルト接合の落とし穴!想像力を駆使して回避すべき…

  2. 鉄骨工事のボルトのクリアランスは○○mmしかない!?

  3. 鉄骨の工作図をチェックする時に確認すべき9つのチ…

  4. 鉄骨の工作図をチェックする時に確認すべき9つのチ…

  5. 鉄骨の工作図をチェックする時に確認すべき9つのチ…

  1. 一級建築士の資格勉強を始める時期はいつからか?と…

  2. 在宅勤務になり建築現場に配属されない時の学習方法…

  3. 最上階の梁の定着は一般解の梁と何が違うのか?

  4. TMです。新年明けましておめでとうございます。【悩…

  5. 工事写真をスマホで管理する時代が到来!Photo Manag…

人気記事ランキング
月間週間デイリー
ブログランキング
にほんブログ村 住まいブログ 現場監督へ