前回は材料編出逢ったが、今回は施工編をお伝えする。
材料編と違い施工編では何となくイメージつきやすいかもね。
施工の基本要求品質とは「規定通りに配筋すること」だからね。
では
「規定通りに配筋すること」って具体的にはどういうこと?
と言うことで「建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]」にはこのように書いてあるよ。
P.286
(2) 「組み立てられた鉄筋は,所定の形状及び寸法を有し,所定の位置に保持されていること。」とは,鉄筋コンクリー卜構造物の一部として出来上がった状態をいっており,これをコンクリート打込み後に確認することは現実的には不可能となる。
完成時にこれらの要求事項を満足していることを照明するためには,施工途中の適切な時点で施工が正しく行われていることを何らかの方法で確認し記録することが重要である。具体的には,鉄筋の加工段階での形状・寸法の確認・記録,組み上げた鉄筋のかぶり厚さの確認,記録等が考えられる。また,この寸法及ぴ位置には, 施工上必要な許容誤差を含んだものとして考える必要があり,部材の大きさ,立地条件,取り合う部材の状況等を勘案して適切に定める。ただし, 「標仕」 表5 . 3 . 6 で規定する鉄筋の最小かぶり厚さは,法律に定められたものであり,これを下回ることのないようにしなければならない。
なるほどなるほど、今回は補足の必要が無いくらいに分かりやすい。
「えっ?そんなこと言ったらイケない」って?では少しだけ。
ここで
私があなたに覚えておいて欲しいことが3つある。
1つ目は
配筋検査記録にしても、配筋写真にしても記録しておくべき内容が
「形状・寸法の確認・記録,組み上げた鉄筋のかぶり厚さ」であること
なので、「サイズ」、「ピッチ」「かぶり厚さ」はチェック項目に
入っているべきだということ。
2つ目は
鉄筋の許容誤差というのは、特に何かに定められているわけでは
無いけれど、特記仕様書に定められている数値、または±5mm程度
であるということ。
理由の1つに、鉄筋の加工機械が10mm単位でしか加工できないから。
というのを聞いたことがある(最近の機械はよく分からないけどね…)
だから
加工誤差は有るものとしてあらかじめ余裕を持っておくことが大切。
3つ目は
最小かぶり厚さだけが唯一建築基準法で定められていること。
たとえ、鉄筋のピッチが間違っていても「法令違反」にはならないが、
最小かぶり厚さが確保できていないければ「法令違反」になる。
だから
最小かぶり厚さの確保ってとってもとっても重要なのである。
そして、先程の2つ目でお伝えした許容誤差を加えると
「設計かぶり厚さ=最小かぶり厚さ + 10mm」
で9割の現場が管理されている理由だよ。
ここで
最小かぶり厚さは部位によって違うので「公共建築工事標準仕様書 建築工事編(平成31年版) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]」
の表を記載しておくからよく覚えておくと良いよ。
表 5.3.6 鉄筋及び溶接金網の最小かぶり厚さ (単位:mm)
構 造 部 分 の 種 類 最小かぶり厚さ 土に接しない部分 スラブ,耐力壁以外の壁 仕上げあり 20 仕上げなし 30 柱,梁,耐力壁 屋内 仕上げあり 30 仕上げなし 30 屋外 仕上げあり 30 仕上げなし 40 擁壁,耐圧スラブ 40 土に接する部分 柱,梁,スラブ,壁 *40 基礎,擁壁,耐圧スラブ *60 煙突等高熱を受ける部分 60 (注)
- *印のかぶり厚さは,普通コンクリートに適用し,軽量コンクリートの場合は,特記による。
- 「仕上げあり」とは,モルタル塗り等の仕上げのあるものとし,鉄筋の耐久性上有効でない仕上げ (仕上塗材,塗装等) のものを除く。
- スラブ,梁,基礎及び擁壁で,直接土に接する部分のかぶり厚さには,捨コンクリートの厚さを含まない。
- 杭基礎の場合のかぶり厚さは,杭天端からとする。
- 塩害を受けるおそれのある部分等,耐久性上不利な箇所は,特記による。
つまり
鉄筋工事における建築工事監理指針による基本要求品質とは、
施工面で言うと、指定された種類の材料が所定の寸法で、
数及びピッチや定着及び継手などが正しく施工されていて、
施工した証明が残っている状態をさす。
ここで
「施工した証明」と言うのは、配筋検査記録とともに
「配筋写真」が非常に重要な役割を果たす。
そこで
こちらの記事も合わせて読むとより理解が深まるよ。
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