足場の計画図を書いてみろ!
と言われて始めて書こうとした時に
半数以上がいきなりつまづくポイントが有る。
それは
「足場と躯体の離れをどのくらいで設定するべきか?」
という問題。
足場と躯体との離れが決まらないと、「最初の線」を
書くことさえも出来ないのである。
そこで
先輩に質問すると返事の9割は
「300mm以下で書いておけば間違いない」
と言ってくるはず。
しかし
この300mm以下という数字、どこを探しても載っていない。
法律などで明文化されている数値ではなく、一般的に
人間が墜落しない隙間が300mmであるという所からきている。
でも
労働基準監督署の担当者も足場の届出を提出して
雑談をしている時に
「300mm以下だと基本的に人は落ちませんからね」
と言っていたので、「足場と躯体の離れが300mm以下」は、
普通に通用する数値であるよ。
しかし
実際に足場を計画する上で、さらなる障害にぶち当たる。
それは、足場の寸法は規格で定まっているのに対して、
建物の寸法は自由気ままであるということ。
もしも
建物の大きさが足場に合わせた寸法であれば、
足場と躯体の離れ寸法を同じにすることが可能であるが、
建物に曲がり角がある度に、足場と躯体の離れ寸法が変わっていく。
すると
「350mmくらいならOKなのだろうか?」
「150mmになったけど狭くないかな?」
という、どうしても生じてしまう「寸法のゆれ」について
悩んでしまう可能性が非常に高いから。
実は
私自身も色々悩んだ結果ある結論に達したので、
この記事でお伝えしておこうと思うが、
1つだけ注意して欲しいのは、セオリーから反しているという点。
では
早速お伝えするけど、まず建物の長手方向でメインとなる面を決める。
そのメインとなる面の躯体から足場の芯までの離れを250mmとして
足場をどんどん書いていく。そして、曲がり角になったら、
200mm~400mmの間の寸法に納まるように計画していく。
すると
案外すんなり、足場の計画図って書くことが出来るよ。
特に、枠組足場の場合は建枠を抱かせる方向を変えると70mmの
調整代が出来るので、上手く活用すると効果的。
最後に
巾の広い箇所について、追加で墜落や落下防止措置をとると完成。
でも
なぜ200mm~400mmなのか?
だけど、作業員さんが仕事がしやすい距離で、
パッと見て離れすぎているとあまり感じない距離感だから。
人間、「あれっ?離れすぎじゃない?」
と感じるとスケールを取り出すが、ちらっと見て違和感が無ければ
大抵の場合は問題にはならないから。
だけど
300mm以下に全て納まるのが理想的なので、
出来るだけ挑戦してみると良いね。
つまり
足場計画図の作成を行うに当たり、足場と躯体の離れは
300以下でないといけないか?という疑問に対しては
基本的には300以下であるべき。
更に
足場と躯体の離れが200mm以下だと作業が困難。
逆に、400mm以上だと身を乗り出さないと作業ができない。
しかし
寸法が決まっている仮設材を、建物に当てはめていくので
全ての離れを300mm以下にすることは実質的に困難。
だから
私は、メインの部分を250mm離れで作図を始めて、
残りは300mm±100mm位で作図している。
それから、広い箇所については落下養生などの設備を足している。
そうでもしないと、頭の中がパズルになって前に進まないからね。
あっ
枠組足場を計画する場合は、こちらの記事も合わせて確認しておこう。
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