マンションなどの現場でバルコニーに設置される
最大径の開口と言えば「避難ハッチ」です。
ところで
避難ハッチは火災の時にはしごを順に上の階から降りるので
上下階でずらして設置されるのが通常ですが、
現場の終盤戦で足場を解体した後に、ふと見上げると
「あれ~、マズイ!!避難ハッチが上下階で揃っている!」
と冷や汗をかいた経験はあなたには有りませんか?
私はと言いますと……「秘密です」
さて
完全に脱線してしまいましたが本題に戻りましょう。
今回は避難ハッチ部分の補強要領についてです。
こちらの「鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説第5版 [ 日本建築学会 ]」の
該当部分を確認して、私の伝えたいポイントが何処なのか?
探してみて下さいね。
P.241
P.244
(b)バルコニーに避難ハッチを設ける場合など,片持スラブの開口補強要領は(a)とほぽ同様であるが,片持方向の補強筋は,片持スラブ元端の梁面から定着長さを確保する.このとき開口と梁側面のあきが狭い場合は梁沿いの補強筋を少なくしてもよい.片持スラブ以外でも開口が梁に隣接する場合は,片持スラブの開口補強と同様な配筋にするのがよい.
さて、どこがポイントなのか?勘の良いあなたなら分かりますよね。
そうです、私の伝えたかったポイントとは
「片持ち方向の補強筋の納まり」です。
なぜなら
開口補強筋とはそもそも開口部分は配筋が出来ないけど
周囲に余計に配筋することで補うためにあるものです。
更に
バルコニーの出幅に対して避難ハッチの占める割合は大きいので
避難ハッチの周辺は通常の4周が梁に囲まれたスラブより
はるかに「不安定な状態」だと言うのは想像がつくはずです。
更に更に
片持ちスラブが安定するためには「梁からの定着」
が完全に「生命線」なので補強筋も、梁に所定の長さ定着すべき。
という考え方になっていると私は考えています。
避難ハッチ周りの補強筋がおろそかになっていると、
スラブが崩壊してしまう危険性がありますからね。
つまり
バルコニーの避難ハッチの開口補強で気を付けるべきポイントとは?
片持ち方向の補強はについては、スラブ元端の梁面から
定着長さを確保する必要がある事です。
なぜなら
開口部が大きなサイズであれば補強筋でも引っ張り方向の
応力を負担する場合は、スラブ筋と同等に納めないと
開口部エリアがごっそり梁と定着していないことに
なってしまいますからね。
また
「開口部が大きなサイズ」って言ったけど一体どの位から?
という疑問が読んでいて湧いてきたあなたには
こちらの記事がオススメですよ。
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