コンクリートの受入試験を生コン車から普通に採取していると、
「コンクリートの受入は荷卸し地点じゃなくて、
打設場所の筒先じゃないか?」
とあなたは言われた事が有りますか?この記事のタイトルを見てクリックした
あなたを含めた人たちの半分は直接言われていないにしても
「どっちだっけ?」と感じているかも知れませんね。
なぜなら
昔は「JIS取り」「JASS取り」と考え方が違っていた時がありました。
だから、新しい現場にいくと構造図の準拠図書や特記仕様書を確認して、
「よしよし、荷卸し地点で受入検査はOKだな」
と思っていたものです。
ちなみに
今の基準からいくとコンクリートの受入数検査は基本的に
「荷卸し地点でOK」です。
ただし
あくまでも打設場所で試料を採取する事が望ましいが、
とても大変だったり、場合によっては危険だったりするので、
そんなに辛い思いをするなら荷卸し地点で良いよ。
という事なので勘違いしないで欲しいですけどね。
ちなみに
生コンクリートの採取をする時は、事前にアジテーターを高速回転させて
中身をよく攪拌してから採取することが大切です。
更に
生コン車からの採取方法は「検尿」と同じで最初と最後の
コンクリートは採取しないで!と監理指針には記載されていました。
確かに
コンクリートを採取する時に、最初の一輪車を使用せずに、
2台採取して2台目を試験に使っていた人いたな~。
とふと思い出しましたが、普通に1台目で検査している人も
いたので、人によって現実的にはバラバラかなと感じる面もありますね。
どちらにしても
あなたが「知識」として知っておくことは大切なので、
覚えておいて損はありませんからね。
最後に
「建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]」
の該当部分を確認して下さい。
P.450
6.9.2 フレッシュコンクリートの試験
(1) フレッシュコンクリートの試験結果は、採取する試料によって異なる場合があるため「標仕」では試料の採取を製造工場ごとに行うこととし、その場所と採取の方法を定めている。
(ア) フレッシュコンクリートの性状は、工場で製造された後、現場へ運搬され、現場内で場内運搬される間に種々変化することがあるため、試験に用いる試料の採取場所としては型枠に打ち込まれる直前が望ましい。しかし、型枠に打ち込む場所で採取する場合には、作業上危険が伴ったり、試験場所まで試料を運搬する手間が生じるなど、作業が繁雑になる。「標仕」では、「JASS 5 鉄筋コンクリート工事」の品質管理方法と整合させ、軽量コンクリートであってもI類コンクリートの場合は荷卸し地点で試料を採取することとなっている。ただし、荷卸しかられ込み直前までの間で、品質の変動が著しい場合には、品質を代表すると考えられる箇所、段階で採取する必要がある。
(イ) 試料の採取方法は、「標仕」では、 JIS A 1115 (フレッシュコンクリートの試料採取方法) 附属書 1 (参考) [分取試料の採取方法] を試料の採取方法としている。
JIS A 5308 (レディーミクストコンクリート) 及び JIS A 1115 の抜粋を次に示す。
---- JIS A 5308 : 2019 ----
10. 試験方法
10.1 試料採取方法 試料採取方法は,JlS A 1115 による。---- JIS A 1115: 2014 (追補を含む) ----
3. 試料 採取した分取試料を集めて,一様になるまでショベル,スコップ又はこてで練り混ぜたものを試料とする。試料は,練り混ぜた後,直ちに試験に供する。
4. 試料の量 試料の量は,20L 以上とし,かつ,試験に必要な量より 5L 以上多くしなければならない。ただし,分取試料をそのまま試料とする場合には,20L より少なくてもよい。
5. 分取試料の採取方法 分取試料は,試験しようとするコンクリートを代表するように3か所以上から採取する。分取試料の採取方法は,附属書 1 (参考) による。
附属書 1 (参考) 分取試料の採取方法
2. トラックアジテータから分取試料を採取する場合 排出されるコンクリートから,定間隔に3回以上採取する。ただし,排出の初めと終わりの部分から採取してはならない(3)。
なお,トラックアジテータで30秒間高速かくはんした後,最初に排出されるコンクリート 50 ~ 100L を除いて採取することができる。
分取試料は,コンクリート流の全横断面から採取する。この場合コンクリー卜の排出の速度は,トラックアジテータの回転速度を変えることによって調節しなければならない。
注(3) 採取する前に,材料が分離していないことを確認する。
3. コンクリートポンプから採取する場合 配管筒先から出るトラックアジテータ 1台分又は 1パッチと判断されるコンクリート流の全横断面から定間隔に 3回以上採取するか排出されたコンクリートの山の 3か所以上から採取する。
つまり
コンクリート受入検査の試料の採取場所は荷卸し地点で良いのか?
について、建築工事標準仕様書とJISに則って品質管理をする上では
「荷卸し地点」で良いです。
実際に
筒先で生コンを採取するのは想像以上に困難ですから、
出来る限り現実的な対応になるように交渉していくのも
あなたの実力だと考えており、あなたに必要なスキルだと考えています。
だけど
お客さんや設計事務所との交渉事って大変ですよね。
交渉するには1人で行くより、断然2人の方が良いですよ。
理由はこちらで確認してみて下さいね。
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