場所打ちコンクリート杭において内部に挿入する鉄筋、
「かご筋」は品質上重要である。かご筋の検査としては
出来上がってからの配筋検査が一般的であると感じる。
配筋検査に関しては、かご筋の組立後なので最後に
問題が見つかったとしても、修正可能なものがほとんど。
しかし
事前に、検討しておきたいことがある。
まずは
「建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]」に書いてある内容を確認してみよう。
P.263
(オ) 鉄筋かごには,かぶり厚さを確保するためにスペーサーを深さ方向に3~5m間隔を目安として,最低で1断面4箇所以上取り付ける。スペーサーは,ケーシングチュープを用いる場合は,D13以上の鉄筋を用いる。ケーシングチューブを用いない場合に鉄筋を用いると,孔壁を損傷するので,杭径l.2m以下の場合は,鋼板4.5× 38(mm), l.2mを超える場合は鋼板4.5x 50(mm)程度のものとする。
1つ目のポイントとしては、「かぶり」の問題である。
しかも
杭の鉄筋を杭孔へ挿入する時は、時には左右に振れたり
するので、スペーサーは強固かつ孔壁をあまり損傷させない
ものが望ましいということで、フラットバーを加工した
スペーサーが主に用いられる。
次に
杭の鉄筋は主筋が「かさね継手」の場合がほとんどである。
すると、通常の構造図のリストのようにはいかなくなる。
何が問題か?というと「主筋のあき」の問題が出てくる。
具体的には
杭の主筋が24本であった場合は、継手部分以外は
杭の円周上(実際には、円周上からかぶり分内側)に
24本並ぶのだが、継手部分では倍の「48本」が
並んでしまう。
すると
主筋の多い杭の場合では主筋が密集してしまい
「主筋のあき不足」におちいってしまう。
計算的には先程の説明したことを検証すればよいので
一度、紙に状況を書いてみて計算してみると良いね。
頭の中で考えても間違うので、書き出すと非常に効果的だよ。
つまり
場所打ちコンクリート杭のかご筋の組立前に検討すべき納まりとは
- スペーサーを適切に挿入して、「かぶり」をしっかり取れる状況にすること
- 主筋は重ね継手となるので、継手組立後の「あき」が確保できるか?
特に「あき」の問題は、実際に鉄筋を加工し始めたら間に合わないだけど、
あなたの机の上でも考えることが可能なので、杭の計画の初期段階で
一度確認しておくことをオススメするよ。
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