鉄骨の建て方時には、小さい段ボールに、径と長さ別に仕訳された
多量の高力ボルトが現場に搬入されてくることでしょう。
その大量の段ポールから、建て方の順序に合わせて、必要な
本数分のボルトを、工具袋の中にセットして所定の場所にセットします。
よって
作業中は、たくさんの開封済みの段ボールの中に、中途半端な
数量のボルトが入っているという状態が続きます。
すると
途中で雨が降ってきたら、鳶さんが慌ててブルーシートで高力ボルト
の段ボールを覆って、雨に濡れないように養生するでしょう。
(全く何もしない鳶さんなら、本当にこの会社で良いか考えた方がよいかも…)
なぜなら
高力ボルトは、水分にさらされてしまうと錆が発生したり、衝撃で傷が
付きやすかったりというナイーブな商品だからです。
「でも、外部で使うんだから、多少の雨の傷も大丈夫でしょ?
だって、鉄骨建方後から屋根・壁ができるまで時間かかるし」
とあなたは感じるかもしれませんね。確かにその面はあるのですが、
それは、「ボルトを締め終わった後」の話です。
というのも
高力ボルトに錆、汚れ、傷などがあると締付時のトルク係数値が
変動するので、締付け時のトルクと導入されるボルト軸カとの関係が
変わってしまい、正しい張力を与えることが出来なくなるからです。
ボルト接合はそれぞれの接合面が、既定の軸力で締付けられて
初めて効果を発揮するので、高力ボルトの締付までの品質管理は
繊細にあつかうつもりで、作業に臨めるように管理をしてあげて下さいね。
最後に
「建築工事監理指針(令和7年版上巻)」の該当部分を確認して下さい。
P.556
7.4.4 高カボルトのセットの取扱い
(1) 高力ボルトは、ねじの損傷、ねじ・ナット・座金等の錆、油類の付着、砂粒・金属粒の食い込み等により、トルク係数値が変動するので、締付け時のトルクと導入されるボルト軸カとの関係が変わってしまい、正しい張力を与えることができなくなる。
そのため「標仕」7.4.4 では、特に取扱いを丁寧にすることを定めているが、一般的な注意事項を挙げると次のようになる。
(ア) 保管は、乾燥した場所に、等級別、 ねじの呼び別、長さ別に整理し、作業に応じて搬出しやすいようにしておく。箱の積上げ高さは 3~ 5段程度とする。トルク係数値による種類がA種のものは、表面処理が温湿度により変質してトルク係数値が変動しやすいので注意が必要である。
なお、トルシア形高力ボルトは、トルク係数値が変化した場合、導入張力の調整ができないので、トルク係数値が変動しないように取扱いに注意する。
(イ) 保管中異状を生じた疑いのあるものは、使用前にトルク係数値試験を行う。
(ウ) 運搬をいちどきに大量に行うと、箱がつぶれたり、ボルトが中で移動して、ねじを傷つけるおそれがある。運搬した箱を降ろす際にも丁寧に扱う。
(エ) 施工直前に包装を解くが、必要な量だけにして、解いたものを使い残さないようにする。やむを得ず残ったものは、元のように包装し直して箱に戻す。
つまり
高力ボルトの取扱いを丁寧にする理由とは、保管等をおろそかにした結果、
ねじの損傷、ねじ・ナット・座金等の錆、油類の付着、砂粒・金属粒の食い
込み等により、トルク係数値が変動するので、締付け時のトルクと導入される
ボルト軸カとの関係が変わってしまい、正しい張力が得られないからです。
なので
保管時もシートなどで覆って風雨に当たらないように保管して、使用時も
必要最低限の量を都度と取り出して使用するようにしなければいけません。
ボルト締めのタイミングで、急な天候の変化が予想される場合は要注意です。
雨って現場にとって悩みの種ですよね、ちなみにあなたは以下の場面では
どの様な行動をとりますか?
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