コンクリートの中に含まれている空気の量を測るというのは、
冷静に考えると難しいですよね。水やセメントなど目に見えるものは
測りやすいですが、空気のような見えないものをどう測るのか?
という事もありますが
「そもそも空気の量なんて測って意味あるのか?」
とさえ思っていた時も実はあります。というのは、空気の量なんて
一定量混じっているわけだし、その量によってコンクリートの品質が
大きく変わるとは考えていなかったからです。
しかし
料理を作るとき泡立て器で混ぜる時にプロの料理人さん等が
かき混ぜ方で食感が「ふわふわ」になったり、出来上がりが
雲泥の差となってしまう事を考えると「空気の量が品質に与える影響」
というのは、実は大きいのだと考えたことがありました。
実際に
コンクリートの空気量によって、ワーカビリティーや強度などの
品質に影響を与えるので、測定項目に入っているのです。
では
大分横道にそれてしまいましたが本題に入りましょう。
空気量をどうやって測るのか?についてですが、基本的には、
「密閉した容器の中にコンクリートを目一杯詰めて圧力をかける」
というやり方です。そこで、圧力をかけた事により押し出された
空気を容器の外に出すことにより測定します。
具体的には
空気ハンドポンプで空気室の圧力を初圧力より僅かに大きくする。約 5秒後に圧力調整口を徐々に開いて,圧力計の指針が安定するよう圧力計を軽くたたき,指針を初圧力の目盛に正しく一致させる。約5秒経過後,作動弁を十分に開き,容器の側面を木づち (槌) などでたたく。
再び,作動弁を十分に開き,指針が安定してから指示値を 0.1% の桁まで読み取り,コンクリートの見掛けの空気品 (A1) とする。必要があれば 5.4 e) 関係を用いて,指示値を補正する。
という事ですが、正直にいうと実際には
「ふ~ん。そうなんだ~」
という程度の理解しか出来ていません。
色々と項目がある中には、このような項目もあるという事でご容赦を。
とりあえず、
検査して4.5%±1.5%であれば合格です。
最後に
「建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]」
の該当部分を確認して下さい。
P.453
(イ) 空気量試験方法
空気量の試験方法には、JIS A 1128 (フレッシュコンクリートの空気量の圧力による試験方法 - 空気室圧力方法)、JIS A 1118 (フレッシュコンクリートの空気量の容積による試験方法 (容積方法)) 及び JIS A 1116 (フレッシュコンクリートの単位容積質量試験方法及び空気量の質量による試験方法 (質量方法)) の 3種類の方法がある。これらの内最も多く使用されているのは、JIS A 1128 である。
この試験の実施においては、容器の上面とふたの下面の間の空間を水で満たす方法 (注水法)と水を満たさない方法 (無注水法) の2種類の測定方法がある。測定精度としては注水法の方が優れているが、一般的には、測定終了後の試料の廃棄の問題から、多くの建設現場では、無注水法で空気量の試験が行われている。
ただし、いずれの方法で実施する場合でも、空気が漏れないよう容器の上面とふたの下面を正しく一致させることが必要である。
JIS A 1128 (フレッシュコンクリートの空気量の圧力による試験方法 - 空気室圧力方法)の抜粋を次に示す。
---- JIS A 1128 ・2019 ----
3. 器具
3.1 空気量測定器 空気量測定器は,次のとおりとする。
a) 空気量測定器は,図1 に示すようにコンクリートと蓋との間の空間に注水して試験するように造られたものとする。無注水法によって測定する場合は、注水しないで試験するように造られたものを用いてもよい。
b) 容器は,フランジ付きの円筒状容器で,その材質はセメントペーストに容易に侵されないものとし,水密で十分強固なものとする。また容器の直径は高さの 0.75 ~ 1.25 倍に等しくし,その容積は注水して試験する場合(注水法) 少なくとも 5L とし,注水しないで試験する場合 (無注水法) は 7L 程度以上とする。
さらに,容器はフランジ付きで蓋と高圧下で密封される構造となっているものとし,内面及びフランジの上面を平滑に機械仕上げしたものとする。
c) 蓋は,フランジ付きでその材質は容器と同様にセメントぺーストに容易に侵されないものとし,水密で十分強固なもので,注水口及び排水(気)口を備えていなければならない。蓋の下面及びフランジの下面は,平滑に機械仕上げしたものとする。
d) 蓋の上部には,容器の約 5% の内容量をもつ空気室を取り付ける。
空気室は,圧力調整弁,空気ハンドポンプ,圧力計及び作動弁を備えていなければならない。
なお,作動弁は蓋と容器とを組み立てた場合に, 100kPa の圧力で空気及び水が漏れず,通常の使用圧力下において空気量の目盛で 0.1% 以下の膨張に抑えられる剛性をもつものでなければならない。さらに,空気室内の高圧の空気を容器に噴出し,かつ,空気室に水が浸入しないような構造でなければならない。
e) 圧力計は,容量約 100kPa で 1kPa 程度の感度のものとする。その目盛板の直径は 9cm 以上とし,容器中の空気量に相当する圧力の点に空気量の分率% (5.4参照)を少なくとも 8% まで目盛,また初圧力 (5.3参照)を明示したものとする。
f) キャリブレーションのため,必要な水量を簡単な操作で器外に取り外せるような器具(長さ 50mmのキャリブレーションパイプ,延長チューブ,図2 参照)を用意する。
図1 空気量測定器
図2 キャリブレーションパイプ,延長チューブを取り付けた一例
図3 圧力計の目盛板の一例
3.2 振動機 振動機は,JIS A 8610 に規定するものとする。
3.3 突き棒 突き棒は,その先端を半球状とした直径 16mm,長さ 500 ~ 600mmの鋼又は金属製丸棒とする。
4. 試料 試料は,JIS A 1115 によって採取するか,又は JIS A 1138 によって作る。
P.458
7. コンクリー卜の空気量の測定 コンクリートの空気量の測定は,次のとおり行う。
a) 突き棒を用いて締め固める場合には,試料を容器の約 1/3 まで入れ,ならした後,容器の底を突かないように突き棒で 25回 均等に突く。突き穴がなくなり,コンクリートの表面に大きな泡が見えなくなるまで,容器の外側を 10 ~ 15 回木づち(槌)などでたたく。ただし,流動性が高いコンクリートの場合には十分な締固めが得られる範囲で突き数及び/又はたたく回数を減らしてもよい。次に,容器の約 2/3 まで試料を入れ,上記と同様な操作を繰り返す。最後に容器から少しあふれる程度に試料を入れ,同様の操作を繰り返した後,定規で余分な試料をかき取って平たんにならす。突き様の突き入れの深さは,その前層にほぼ達する程度とする。
b) 振動機を用いて締め固める場合には,JIS A 1116 の 5.2 (振動機で締め固める場合)によ って行う。試料を容器の 1/2 まで入れ,各層の表面を 3等分に分けて締め回める。次に,容器からあふれるまで試料を満たし,上記と同様な振動締固めをする。締め固めた後は,コンクリート中に空隙が残らないように振動機をゆっくりと引き抜く。上層のコンクリートを締め固めるとき,振動機の先端が下層のコンクリートにほぼ達する程度とする。振動時間は,コンクリート表面に大きな泡がなくなるのに必要な最小時間とする。上層の振動締固めが終わったら,定規で余分な試料をかき取って平たんにならす。ただし,スランプ 8cm 以上の場合は,振動機を用いない。
c) 容器のフランジの上面及び蓋のフランジの下面を完全に拭った後,蓋を容器に取り付け,空気が漏れないように締め付ける。
d) 注水法の場合には,排水口から排水されて,蓋の下面と水面との間の空気が追い出されるまで軽く振動を加えながら注水口から注水する。無注水法の場合には,この注水操作を省く。最後に全ての弁及び口を閉じる。
e) 空気ハンドポンプで空気室の圧力を初圧力より僅かに大きくする。約 5秒後に圧力調整口を徐々に開いて,圧力計の指針が安定するよう圧力計を軽くたたき,指針を初圧力の目盛に正しく一致させる。約5秒経過後,作動弁を十分に開き,容器の側面を木づち (槌) などでたたく。
再び,作動弁を十分に開き,指針が安定してから指示値を 0.1% の桁まで読み取り,コンクリートの見掛けの空気品 (A1) とする。必要があれば 5.4 e) 関係を用いて,指示値を補正する。
f) 測定終了後は,蓋を外す前に注水口と排水(気)口を両方開いて圧力を緩める。このとき,容器及び空気室の両方の圧力を緩める前に作動弁を開かないようにする (4)。
注(4) これを怠ると水が空気主に入るため,その後の測定で誤差が大きくなる。
つまり
コンクリート中の空気の量を測るというのはどういう仕組みか?
というと簡単に言えば密閉した容器にコンクリートを隙間なく詰めて
圧力をかけることによって空気量を測定しています。
でも
何回読んでも分からないものは分からないという事もありますよね。
実は、空気量については私も同じです。
ちなみに
これが経験した事でなければ更に大変です。
未知の経験に対しては私も非常に大きな不安を持つことがあります。
そんなときは、こちらの記事の内容を自分で自分に言い聞かせてますよ。
↓ ↓ ↓
この記事へのコメントはありません。