ガス圧接の検査で不合格でも慌てないように知っておくべき知識とは?

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誰でも失敗はしたくありませんよね。

でも、誰にも失敗はあります。
大切なのは失敗したときにどうするか?
なのですから。

 

そこで

今回はガス圧接の検査で不合格になった場合に
あなたは一体どのような行動をとるべきか?
について考えて行きましょう。

 

まず

超音波探傷試験などで「不合格」の値が出た場合どうするか?
建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]
の該当部分を確認して下さい。

 

また

「検査結果を誤魔化すようお願いする」
は気持ちは分かりますが絶対にNGですからね。

 

P.330

(イ) 起音波探傷試験又は引張試験で不合格となったロットへの措置

(a) 超音波探傷試験又は引張試験で不合絡ロットが生じた場合には、直ちに圧接作業を中止し、欠陥の発生箇所、圧接面に発生している欠陥の種類等を調べて欠陥の発生原因を究明する。原因が明らかになれば、再発防止のための改普措置を検討し、施工計画書の修正等を行い、監督職員の承諾を受けた後、作業を行う。不合絡となったロットは、試験されていない残り全数に対して超音波探傷試験を行い、不良圧接部の選別を行う。

(b) 超音波探傷試験の結果、不合格となった圧接箇所の処置は、監督職員と協議を行った後に圧接箇所を切り取って再圧接する。平成19年度版「標仕」では不合絡となった圧接箇所について、監督職員と協議したうえでの添え筋による補強を認めていた。しかし、添え筋による補強は重ね継手によることと同じことであり、鉄筋径の制限があるとともに、鉄筋のあきを確保することや付着性能の確認が必要となる。こうした本項の確認は設計担当者が行うべきもので、現場で安易に採用すべきではないとの観点から、平成22年版「標仕」で添え筋による補強が削除された。ただし、圧接位置によっては再圧接が困難で、機械式継手等によって処理することが必要な場合もあり得るので、設計担当者により処理方法が特記されていることが望ましい。

(ウ) 圧接部を再加熱して修正した場合及ぴ圧接部を切り取って再圧接した場合は、外観試験及ぴ超音波探傷試験を行って再圧接した圧接部の品質を確認する必要がある。

 

図5.4.10 不良圧接部の判定手順及ぴ修正

 

しかし

あなたは毎回ガス圧接をしている端から超音波探傷試験を
行うような段取りを毎回出来ていますか?

当然、ガス圧接を行うスピードと超音波探傷試験のスピード
を比べると超音波探傷試験の方が早いので、ガス圧接が2日
かかるのであれば、2日目の午後などに超音波探傷試験を
行うこともあると感じます。

 

すると

「ただちに圧接作業を中止」してという事については、
既に作業が終了している、もしくは終了しそうという
現状の方が多いと感じます。

「では、一体に何を中止すれば良いのでしょうか?」

 

ここで

一番大切なのは「不合格となった場合は修繕作業と再検査を実施」
する必要があるので、現場を今以上に進めないという事です。

配筋作業が進んでしまうと、圧接部の切取りおよび再圧接が
非常にやりにくくなったりして、せっかく配筋した箇所を
バラシて作業を行わなくてはいけません。

ましてや、コンクリートを打設してしまったら取り返しが
つかない事態になってしまうので、絶対に行ってはいけません。

まあ、圧接の検査結果を工事監理者さんに確認して貰うので
コンクリート打設の許可が出ないとは思いますけどね。

 

だから

あなたがガス圧接の不合格の事実を聞いた時に、
一番初めに行うことは

「上司に報告して、現場の作業を一旦休止すること」

を心掛けて行動してみてはいかがでしょうか。

 

また

具体的にどのように修繕するのか?については
建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]
の該当部分を確認して下さい。

 

P.330

5.4.11 不合格となった圧接部への措置

不良圧接部の判定手順及び修正について、図5.4.10に示す。

(ア) 外観試験で不合格となった圧接部への措置

(a) 圧接部のふくらみの直径とふくらみの長さがそれぞれ鉄筋径の1.4倍、1.1倍に満たない場合の修正は、鉄筋を切断せずに再加熱・加圧して、所定のふくらみの直径及びふくらみの長さとしてもよい。これは再加熱 ・加圧によって圧接部の品質を劣化させることなく形状を修正することができるためである。

(b) 圧接部のふくらみにおける圧接面のずれが鉄筋径の1/4を超えた場合は、十分な接合強度が得られず圧接面破断となりやすい。 この場合には、圧接部を切り取って再圧接する。

(c) 圧接部における鉄筋中心軸の偏心量が鉄筋径の1/5を超えた場合には、圧接面に必要な加圧力が作用しなかった可能性があるので圧接部を切り取って再圧接する。

(d) 圧接部に折れ曲りが生じている場合は、これによる強度低下は少ないが、鉄筋の軸方向の剛性が低下するので、再加熱によって修正する。

(e) 圧接部のふくらみ量の差が鉄筋径の1/5を超える片ふくらみとなった場合は、部分的に十分な加圧力が作用しなかった可能性があるので圧接部を切り取って再圧接する。

(f) 短時間の加熱で加圧すると圧接部表面にひび割れが生じやすい。著しいひび割れは鉄筋内部が適正温度に達していない可能性がある。
また、サイズが過小なバーナーの使用や適切な幅焼きが実施されなかった場合には表面が過熱状態となり垂れ下がりが生じたりするが、この場合は鉄筋が脆化しているおそれがある。これらのいずれの場合にも、圧接部を切り取って再圧接する。

 

つまり

ガス圧接の検査で不合格になった場合の処理をまとめると

起音波探傷試験又は引張試験で不合格となったロットへの措置は、
直ちに圧接作業を中止し、欠陥の発生箇所、圧接面に発生している
欠陥の種類等を調べて欠陥の発生原因を究明することが必要です。

ガス圧接作業が終わってから不合格が判明した場合は、
再合格になるまでコンクリートは打設できませんので、
現状で作業を中止して指示を仰ぐようにしましょう。

 

また

具体的な修繕方法は

○鉄筋を切断せずに再加熱・加圧

  • 圧接部のふくらみが鉄筋径の1.4倍に達していない場合
  • 圧接部の長さが鉄筋径の1.1倍に達していない場合
  • 圧接部に折れ曲りが生じている場合

 

○圧接部を切り取って再圧接

  • 圧接面のずれが鉄筋径の1/4を超えた場合
  • 鉄筋中心軸の偏心量が鉄筋径の1/5を超えた場合
  • 鉄筋径の1/5を超える片ふくらみとなった場合
  • 圧接部に著しいひび割れのある場合
  • 圧接部に垂れ下がりが生じた場合

 

更に

圧接部の補修対策としての「添え筋」はNGです。

 

最後に

今回の記事で私が伝えたかったことは「失敗は必ず起こる」
という前提のもとに、事前に対応を準備しておくことが
非常に重要だという事ですので、こちらの記事も
合わせて読むことで「失敗」に対する意識を変えましょうね。

↓ ↓ ↓

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