自分では全く品質的に劣ることはないと判断した変更が
実は、品質的には問題だった。という事が実際にはよくあります。
今回はその1例をお伝えします。
ここで
あなたに1つ質問をします。
鉄筋の先端のフック180度、135度、90度と一般的に3種類ですが、
どれが1番性能として優れていますか?
と言われたら、あなたはきっと「180度」だと答えるでしょう。
確かに
フックのハズレにくさとしては180度の方が優れています。
それはフックの余長が180度が1番短いということでも現れています。
しかし
時として180度よりも135度のフックが優れている場合があるのです。
かつて
現場の工事監理者さんとあばら筋(スタラップ)の話をしていたときです。
工事監理者さんの方から
「今回のあばら筋は高強度筋だけどフック形状変えるの?」
と聞かれたので
「はい、施工性も良くなるので135度を180度に変更しようと思います」
と答えると
「そうだね。高強度筋は通常よりもフックの余長が長いからね。
2段筋があると干渉して配筋しずらいもんね。」
「だけど、勝手に変更せずにきちんと納まり図を描いて質疑してね。
そもそも、あばら筋のフックが135度なのはコンクリートの充填性を
上げるためなので、180度にすると充填性が悪くなるからね。
性能を下げても変更するには相応の理由が必要だからね。」
という回答が返ってきました。私はただ
「……。そうですね…。質疑します。」
と答えることしか出来ませんでした。
だから
フックの形状も180度、135度、90度と3種類あって、
- 引っ掛かりの性能を求めるときは180度。
- コンクリートの充填性も考慮しなければいけない場合は135度。
- あばら筋のキャップの納まりなど施工上やむを得ない場合は90度。
というそれぞれの事情があるんだな。と感じた出来事でした。
つまり
あばら筋(スタラップ)のフックが135度である理由とは、
「コンクリートの充填性を良くするため」なのです。
しかし
現場では「配筋時における施工性」という現場側の都合と
「135度よりも180度の方が優れている」という間違った認識から
現場で勝手に変更してしまうのです。
「それが間違った事だと気付かずにね」
でも
「あっ、それ私もやったことある」
と悲観しなくても良いと感じますよ。
人間だれしも間違いはやるものです。
大切なのはこちらですからね。
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