普通ボルトは締めても緩む?理由と対策(戻り止め)とは?

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「あれっ、ここのネジ締めたはずなのに、いつの間にか緩んでいる」

と日常生活で感じたことはありませんか?
このブログを読んでくれている読者の方であれば、何回かは経験
あると思います。

 

でも、

「あの建物の鉄骨のボルト締めたはずなのに、緩んでいたよね…」

という会話は、ちょっとゾッとしますよね。地震起こったら倒壊するかも
しれない様な事態になると思いますし。

 

じゃあ

「あなたの現場で締めたボルトは、絶対に緩んでいないですか?」

という質問に、あなたは即座に「緩んでない!」と答えられますか?

 

今回は、普通ボルトと高力ボルトに分けて、ボルト締付け後の
「緩み」について、お伝えしていきましょう。

 

まずは

「普通ボルト」です。こちらは、建物の構造上重要な部材だけでなく、
仕上げの金物の取付時などでも有効な考え方なので、今後仕上げ工事
も担当するあなたが、是非覚えておきましょう。

 

ここで

基本的な考え方として、普通ボルトは振動などの繰り返し応力によって
次第に「緩みます」。なので「戻り止め対策」が必要です。

 

具体的な方法は、以下の4つが代表的です。

  1. ばね座金の使用(スプリングワッシャー)
  2. 二重ナットの使用(ダブルナット)
  3. ゆるみ防止用特殊ナットの使用
  4. ナットの溶接

こちらの方法は、どの方法も全て私は経験しています。
どの方法がよくて、どの方法が悪いと訳ではなく、そのボルトが
最終的に見えるのか?隠れるのか?などにより選択肢は変わります。

鉄骨工事でいえば、胴縁などの二次部材の取り付けや、
仕上げの金物工事、本設だけでなく仮設での機械の固定などでも
用いることが多いので、合わせて知識として入れておいてください。

 

続いて

高力ボルトですが、「高力ボルトは戻り止めをしなくてはよいのか?」
との問いに以下の会社が回答して頂いていて、とても参考になるので
引用させて頂きます。

 

引用:高力ボルト検査株式会社

 

Q設2:
高力ボルトの締結構造ではボルトがゆるむ心配はないか。

回答:
鋼構造物をボルトによって接合する場合は、高力ボルト及びボルトによる接合が認められています。ボルト接合による場合は,建築基準法施行令により、戻り止めの処置を施すことが義務付けられていますが、高力ボルトにはこの規定がありません。
ボルトのゆるみには2つのタイプがあります。1 つはナットがゆるみ回転をしないまま張力(軸力)が減少する現象で、これをリラクセーションと呼びます。これによる張力(軸力)の低下分は考慮されて、接合部の許容値が設定されており、通常の使い方をしていれば問題ありません。
もう1つはナットが振動や接合面のずれのくり返しで、ナットがゆるみ回転を生じるものですが、締付け力が十分大きい場合には、この心配はありません。
従って、高力ボルトの摩擦接合による場合、通常の使用環境であれば所定の締付け張力(軸力)を与えれば高力ボルトのゆるみは考慮する必要はありません。

ということで、結論としては「戻り止め対策」は不要です。

こちらの回答聞いて、あなたは密かに胸をなでおろしていたかも
知れませんが、そっとそのままにして、今後は誰かに知識として伝えて
伝えてあげて下さいね。

 

最後に

建築工事監理指針(令和7年版上巻)」の該当部分を確認して下さい。

P.566

7.5.2 接合

普通ボルト接合では、次の事項に留意する。

(ア) 孔径は、ねじの呼び径 +0.5mm (ただし、母屋、胴縁類の取付け用ボルトの場合は +1.0mm)とする。
(イ) このボルト孔径の制限は、鉄骨の実態から精度的に厳しい要求となっているので、注意する必要がある。
(ウ) ボルトの戻止め
建築基準法施行令では、コンクリートで埋め込む場合を除いて、ボルトが緩まないような処置をするように定めている。その方法としては、次のようなものがある。

① ばね座金の使用
② 二重ナットの使用
③ ゆるみ防止用特殊ナットの使用
④ ナットの溶接

なお、ばね座金を使用する場合、「JASS 6 鉄骨工事」では、JIS B 1251 に適合したものとしている。

また、ばね座金が平らになり、ナット、座金、非接合部材が密着するまでしっかりと締付ける。二重ナットを使用する場合には、下ナットを締め付けた後、このナットをスパナで押さえたまま上ナットを別のスパナて、締め付け、最後に上ナットを固定して下ナットを上ナットに対して締め付けるようにしないと、戻止めの効果が得られないので注意する (図7.5.1 参照)。

(エ) ボルトの長さは、 JIS B 1180 (六角ボルト) 付表の呼び長さで示し、締付け長さに応じて締付け後、ナットの外側に 3山以上ねじ部が出るように決める (図 7.5.2 参照)。

図 7.5.1 二重ナットの締付け

図 7.5.2 ボルトの長さ

 

つまり

高力ボルトはボルトを締付けるときに高い軸力を加えているため
緩むことは通常は有りませんが、普通ボルトの場合は、振動などの
繰り返しの応力で緩む可能性があります。

 

そこで

  1. ばね座金の使用
  2. 二重ナットの使用
  3. ゆるみ防止用特殊ナットの使用
  4. ナットの溶接

という4つ戻り止め対策のうち、どれかを採用してボルトが常に
適切に締付けられた状態を保つように処置をします。

 

ちなみに

この、ばね座金(スプリングワッシャー)ダブルナットや溶接止め
などの措置は、建物本体だけでなく、仮設のエレベーターなどの
振動するような機械類を固定する時にも同様の処置をすることが
あるので知識として覚えておくとよいですよ。

 

更に

こちらは仮設のエレベーター(ロングスパンエレベーター)の
記事なので、気になるあなたは確認しておいて下さいね。

↓  ↓  ↓

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