「こんな状態で明日コンクリート打設したら、
どんな結果になるか分からんのか!」
と進入社員時代に言われた時に、恥ずかしながら全く何が起きるのか?
内容を聞かされていても、そこまでの事になるのか?という事が
全く想像が出来ませんでした。
なぜなら
そんな失敗を経験していないからです。
しかし
あなたは違います。なぜなら、他人事としてでも「失敗談」として
私の失敗を経験する事が出来るからです。
では
私がした失敗をお伝えすると、足場が地盤ごと下がってしまったのです。
「足場が下がるって!?」
とあなたは感じたかも知れませんが、私も同感でした。
具体的には
ある建物の1階の階高が高くて2階のバルコニーを受ける型枠支保工を
足場を1段組んだ上から設置していたのです。
しかし
その足場は基礎、地中梁のコンクリートを打設した後の埋め戻して
時間の経っていない土の上に設置していました。
埋め戻しを行ってすぐの土は、水で締めながら、転圧しながら施工しても
雨などか降ると大なり小なり沈下をするのが私の経験上有りますが、
当時の私にはその知識が全く無かったのです。
だから
冒頭の型枠大工さんは、コンクリートの打設に伴う荷重で
足場自体が沈下するのでは?と懸念して私を怒っていたのです。
そして
結果はどうなったかと言うと「足場ごと沈下しました」。
足場の足元の土に亀裂が入って沈下している事は一目瞭然でした。
しかし
2階のバルコニーのレベルが下がったかと言うと結果は大丈夫でした。
なぜなら
型枠大工さんが足場の沈下を見越して、打設前のバルコニーのレベルを
あらかじめ高めに設定しておいて、打設後にレベルを調整して
適正なレベルに持っていってくれるというフォローがあったからでした。
だから
あなたは私と同じような失敗をしないで下さいね。
最後に
「建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]」
の該当部分を確認して下さい。
P.441
(4) 上下階の支柱が同一位置にないと、強度が十分発現していないコンクリートスラフに悪影響を与えることになるので、可能な限り平面上の同じ位置に配置する。また、地権上に直接支柱を立てる場合には、支柱の下に剛性のある板を敷くなどして、支柱の沈下を防がなくてはならない。
つまり
TMが新入社員時代にやってしまった型枠支保工にまつわる失敗とは、
埋戻し後すぐの地盤の上に建てた型枠支保工がコンクリートの打設
した時の荷重で足場ごと沈下してしまった。という失敗です。
その時は
型枠大工さんの機転により大事には至りませんでしたが、
なかなか経験が無いと失敗を予測するというのは難しいですね。
だから大切なのは「職長」と良い意味で仲良くしておくことです。
頼りになる職長さんの見つけ方はこちらで解説しているので
合わせて読むと理解が一層深まりますよ。
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