鉄筋の溶接継手で特記仕様書・施工計画書で確認すべき9つの内容

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鉄筋の突合せ溶接継手(エンクローズ溶接)を行う場合に、
特記仕様書に指示されていたり、指示されていなかったら
施工計画書で記載すべき項目について今回はお伝えします。

 

まずは

建築工事監理指針(令和7年版上巻)
の該当部分を確認して下さい。

 

P.352

鉄筋の継手の構造方法 を定める件

(2)  溶接継手の適用箇所、工法、鉄筋相互のあきは、特記に従って施工する。特記で指示される事項には、次のようなものがある。

(ア) 溶接工法の名称
(イ) 必要に応じて、溶接ワイヤの種類、接合用部品の材料の材質・形状・寸法等、鉄筋端部あるいは表面の処理法
(ウ)  必要に応じて、継手位置、継手部におけるコンクリートのかぶり厚さ、継手部におけるあばら筋・帯筋の寸法・間隔、継手の位置のずらし方等突合せアーク溶接継手 (エ ンクローズ溶接継手)の施工は、告示の第 1項ただし書きの規定による継手部分の性能を確認し、(―財)日 本建築センターの評定又は(会社)日 本鉄筋継手協会の認定を受けた施工会社に発注されるのが一般的である。
また、最近では、セラミック製の裏当て材を用いたエンクローズ溶接継手であるCB工法の開発主体である(一社)CB工法協会の会員である施工会社への発注も増加している。これらの会社が施工する継手は告示の第3項 にも適合しているので、性能が確認されたこれらのエンクローズ溶接継手を用いるのが望ましい。
エンクローズ溶接継手は突き合わせた鉄筋の開先部を裏当て金で囲み、CO2ガスシールドにより溶接部の酸化を防止しながら、開先底部よリアークをスタートさせて鉄筋両端面に十分な溶込みを与えながら連続的に開先内を溶融金属で充填して接合するもので、溶接後の継手の伸縮は小さいという特徴がある。この溶接はI形開先であり、ルート間隔の管理が重要である。エンクローズ溶接の例を図5.6.2に示す。

図5.6.2 エンクローズ溶接の例

 

こちらをまとめると以下の通りです。

  1. 溶接方法の名称
  2. 溶接継手の適用箇所
  3. 溶接ワイヤーの種類
  4. 接合用部品の材料・材質など
  5. 鉄筋端部など表面の処理方法
  6. 継手位置
  7. 継手部におけるかぶり厚さ・あき寸法など
  8. 継手部における鉄筋のずらし方など
  9. 現場における試験・検査の方法と回数

こちらの中で、現場で確認して写真を撮っておいて欲しい
という項目がいくつかあります。

 

それは

3、4、の仕様材料と使用機器については
一通り現場で確認して写真を撮っておいてください。

 

更に

この中で今回私が詳しくお伝えしたいのが「溶接ワイヤー」です。
使用機器などは大抵どんな現場でも同じ機器で施工しますが、
ワイヤーに関しては現場ごとに使用する材料が違う可能性があるからです。

 

まず

施工計画書を確認して、使用ワイヤーの欄が表になっていると
感じるので確認してみて下さい。

 

すると

SD345の鉄筋は○○の溶接ワイヤー、
SD390の鉄筋は○○の溶接ワイヤー、
SD490の鉄筋は△△の溶接ワイヤー

などと記載されているので、あなたの現場の使用する溶接ワイヤー
が1種類なのか?数種類あるのか?について確認して下さい。

その時に、1つの鉄筋強度について数種類溶接ワイヤーが
記載されているのであれば共通して1種類で施工できるものが
あるのか?についても確認してくと良いでしょう。

 

なぜなら

大梁と小梁では鉄筋径が違う事が多いので、使用すべき溶接ワイヤー
の種類がもしも違うのであれば、いちいち施工する部位ごとに
溶接ワイヤーを取り替える必要があるからです。

 

具体的には

鉄筋に強度があるように、溶接ワイヤーにもそれぞれ強度や
使用するのに適した材料というのが違うのです。
もしも、小梁用の溶接ワイヤーで大梁を溶接してしまった場合に
仮に引張試験を行った場合は、結果はどうなるか?想像できますよね。

きっと、全箇所切り取って再溶接という現場のスケジュールが
大変混乱するような事態になり、品質管理体制についても責められる
という状況が予想されるので、溶接ワイヤーの使い分けがある場合は
注意しておいた方が良いです。

 

例えば

通常は大梁を施工した後に、小梁を施工するのでトラブルは起きないですが、
工区の境目などで施工順序が最後になる梁などがあれば要注意ですからね。

 

だから

溶接ワイヤーの確認と、「このワイヤー使ってますよ」という
証拠としての工事写真は撮っておいて損はないですからね。

 

つまり

溶接継手で特記仕様書・施工計画書で確認・承諾を得るべき9つの内容とは

  1. 溶接方法の名称
  2. 溶接継手の適用箇所
  3. 溶接ワイヤーの種類
  4. 接合用部品の材料・材質など
  5. 鉄筋端部など表面の処理方法
  6. 継手位置
  7. 継手部におけるかぶり厚さ・あき寸法など
  8. 継手部における鉄筋のずらし方など
  9. 現場における試験・検査の方法と回数

こちらの内容を実際に施工計画書を作成するときに
「ちゃんと入っているのかな?」と確認することが
本当に大切だと私は感じていますよ。

 

ちなみに

ガス圧接の施工計画書については、こちらで
記事にしているので合わせて確認しておきましょうね。

↓ ↓ ↓

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