コンクリートはセメントと骨材と水と多少の混和材で出来ています。
と言われると、コンクリートというのは非常に単純な構成で出来ているな、
と改めて感じさせられますね。
では
この「セメント」とは一般的には何を差すのでしょうか?
と言うのが今回のテーマです。当然知っているよ、という人も多いのですが、
わざわざこの記事をクリックしているあなたの為にお届けします。
分からない事をコソッと調べるためにこのサイトはありますから、
全く知らないからといって問題ないですよ。
では
今回は答えから先に言ってしまいましょう。
答えは「普通ポルトランドセメント」です。
「えっ?ポルトランドって何?」
という、疑問をあなたも持っているかも知れませんので、
調べる手間を省くために、事前にWikipediaで調べました。
「ポルトランドセメント」という名称のセメントを発明したのは、イギリス・リーズの煉瓦積み職人のジョセフ・アスプディンであるとされている。1824年10月21日付特許第5022号に「Portland Cement」という名称が初めて見られる。「Portland」を付したのは、硬化した後の風合いがイギリスのポートランド島で採れるポルトランド石 (Portland limestone) に似ているからであった。
と言うことで、ポルトランドセメントの由来ははイギリス産だからだそうです。
また
先程、「普通」ポルトランドセメントとお伝えしたのは、
同じポルトランドセメントでも強度が通常より早く出る
早強、超早強ポルトランドセメントや、逆にセメントが硬化する時に
発生する熱をおさえる代わりに強度の発現までの時間がかかる
中庸熱、低熱ポルトランドセメントなどもあります。
そこで
使用部位や工期や気候などの諸条件を考慮しながら選択すれば良いが、
95%以上は、通常の普通ポルトランドセメントしか使いません。
だから
セメント=普通ポルトランドセメントでもほぼ問題ないですよ。
最後に
「建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]」
の該当部分を確認して下さい。
P.365
図6.3.1 JISによるセメン卜の分類
(b) ポルトランドセメントは普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント及び耐硫酸塩ポルトランドセメン卜の6種類を基本とし、これに低アルカリ形の6種類を加え全部で12種類あり、その主な品質は表6.3.1に示すとおりである。
・・・中略・・・
① 普通ポルトランドセメント(普通セメントと略称される場合もある。)は、建築のコンクリー卜工事用として現在最も多く使用されているセメントである。「標仕」では、特記のない場合は普通ポルトランドセメント又は高炉セメン卜、シリカセメント及びフライアッシュセメント(以下、この3種類を混合セメントという。)のA種を使用することになっているが、高炉セメント及びフライアッシュセメントともA種はほとんど生産されていないため、一般的には普通ポルトランドセメン卜を使用することが多い。
② 早強ポルトランドセメント(早強セメントと略称される場合もある。)の比表面積(ブレーン値)は、JISでは表6.3.1のように定められているが、市販品で、は4,700cm2/g程度である。比表面積はセメント粒子の細かさを示す値で、この値が大きいほど細かく、セメントと水との化学反応(水和反応)が活発になるため、図6.3.2に示すように他のポルトランドセメントよりも早期に強度が得られる。そのため、工期の短縮に有効であると共に、硬化初期の水和発熱量(凝結・硬化中に起こる発熱を水和熱という。)が大きいことから寒中コンクリー卜にも適している。ただし、発熱によるひび割れ等の弊害を伴うこともあるので、使用する季節や用途に注意が必要である。
つまり
コンクリートに一般的に使用される普通セメントは何をさすのか?
の答えは、何も特記の無い場合は「普通ポルトランドセメント」の
事を指し示します。
そして
ポルトランドセメントには、早期に強度が発言する
早強ポルトランドセメントや超早強ポルトランドセメント、
逆に、強度の発現は早くなくても効果による発熱を抑える
効果のある中庸熱ポルトランドセメントや低熱ポルトランド
セメントなど、様々な種類のセメントが開発されている。
また
早強ポルトランドセメントなどは早期に強度が発現するので
気温が低くてコンクリートの硬化が進まない時期には適しているが、
早期に発熱して強度が増すという事は「ひび割れ」のリスクが
あるので、使用する場合は「工期」と「ひび割れリスク」を
天秤にかけて採用する必要があるので注意して下さいね。
それから
早強ポルトランドセメントの使用を考える現場は工期がないはず、
そんな時は工程の整理の仕方も大切!こちらの記事も読んで
最後の最後でタイムアップにならないように現場を管理しようね。
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