今回から数回にわたり鉄骨工事における耐火被覆について
お伝えしていこうと考えています。
そもそも、鉄という材質は火災に強いものではありません。
コンクリート造のマンションなら1室全焼したからといって、
建物自体が倒壊するという事態にはなりませんが、
鉄骨造の場合は、鎮火までに数日かかるような火災の場合、
建物自体の強度がおちて倒壊してしまうという可能性があります。
しかし
耐火被覆に求められているのは、数日も耐えられるようなものでもなく
多くても3時間など耐えるだけ仕様となっているのが現状です。
ちなみに
耐火被覆の●時間耐火というのは、最上階に近い方が数字が小さく
地上階に近づけば、近づくほど数値が大きくなっていくのですが、
こちらは、火災時の避難までにかかる時間を想定して設定しています。
最上階にいた人が、階段などをおりていって、地上から避難する
ことを前提にしたら、上記のような時間設定になるという訳で、
あくまでも「一時的に」建物を火災から守っているだけです。
話が少しそれましたが、本題の耐火被覆の種類ですが、
基本的には、読んで字のごとく。鉄骨に耐火性のある材料で
覆うというプロセスをとり、覆う材料の種類が大きく分けて以下の
5種類あります。
- 打設工法
- 左官工法
- 吹付け工法
- 塗装工法
- 張付け工法
- 巻付け工法
この中で、一番一般的なのが、吹付け工法で「ロックウール」を
鉄骨に吹付けて耐火被覆をします。
あなたも1度は見たことがあるかもしれません。

その次に多いのが、巻付け工法で「巻きべい」などの商品があり、
鉄骨に文字通り被覆材を巻きつける工法です。こちらは、ロックウール
が落下などすると支障のある箇所などで施工されており、物流倉庫
などでも良く使用されています。
他に張付け工法や塗装工法は、コスト面から採用されることが
少ないのですが、意匠的にデザインしたい空間などの必要な箇所に
限定して使用されているイメージですね。
一方で、打設工法や左官工法は私はほぼ使用した事がありません。
上記、3~6の方が使用比率としては高いと私は感じています。
最後に
「建築工事監理指針(令和7年版上巻)」
の該当部分を確認して下さい。
P.612
7.9.2 耐火被覆の種類等
(1) 「標仕」では、耐火材の吹付け工法、耐火板の張付け工法、耐火材の巻付け工法、ラス張りモルタル塗りの左官工法及び耐火塗料の塗装工法等を採用しており、その種類、材料、工法等を特記することにしている。
(2) 一般的に用いられる耐火被覆工法を施工法に準じて分類すると、表 7.9.1のようになる。
表 7.9.1 耐火被覆工法の分類 工法 耐火被覆材料 材料の主成分 仕様区分 打設工法 コンクリート
軽量コンクリート
セメント、砂、砂利
セメント、軽量骨材例示
例示左官工法 鉄網モルタル
鉄網パーライトモルタルセメント、砂
セメント、パーライト例示
例示吹付け工法 吹付けロックウール(注)
軽量セメントモルタル
吹付けパーライトモルタル
水酸化アルミニウム混入湿式吹付けモルタルロックウール、セメント
セメント、パーライト、水酸化アルミニウム
セメント、パーライト
セメント、シリカ、アルミナ認定
認定
認定
認定塗装工法 耐火塗料 りん酸アンモニウム 認定 張付け工法 繊維混入ケイ酸カルシウム板
ALCパネル
強化せっこうボード
押出成形セメント板
軽量コンクリート板ケイ酸カルシウム
セメント、けい石、生石灰
せっこう
セメント
セメント、軽量骨材認定
認定
認定
認定
認定巻付け工法 セラミックファイバー系材料
ロックウールフェルトセラミックファイバー
ロックウール認定
認定組積工法 コンクリートブロック
軽量コンクリートブロック
石又はれんがセメント、砂、砂利
セメント、軽量骨材
石又はれんが例示
例示
例示合成工法 各種材料、工法の組合せ 各種の耐火材 認定 (注) 吹付けロックウール工法には、現場配合のセメントスラリーによる半乾式工法と工場配合による乾式工法がある。
つまり
鉄骨を一時的に火災から守る耐火被覆は主に以下の6種類です。
- 打設工法
- 左官工法
- 吹付け工法
- 塗装工法
- 張付け工法
- 巻付け工法
この中で、一般的によく使われているのが吹付け工法と巻付け工法
なので、この中からいくつかは個別で解説していきます。
でも
結局、火災が起こって数時間たったら耐火被覆も意味が無くなって
最悪、鉄骨の建物が倒壊してしまうかもしれません。
これが、竣工してからだったら他人事かもしれないけど、
工事中に火災が発生してしまったらと考えるとゾッとするよね。
そんな、あなたにはこちらの記事がおススメですよ。
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