今回から数回にわたって鉄筋材料の基本的なところをお伝えしていこう。
まず
鉄筋材料はJISで定められており、強度別に種類が分かれている。
強度別の種類の記号と呼び名は以下のとおりで
種類の記号 : SD295A, SD295B, SD345, SD390,SD490
それぞれの数字は、降伏点(単位は N/mm2)を表す。
また
鉄筋径によって呼び名 があり、JISで定められているのは
D4, D5, D6, D10, D13, D16, D19, D22, D25, D29, D32,
D35, D38, D41, D51であるが現実的にはD10~D35位までが
一般的に使用されているのではと感じるよ。
実際に、高層の建物などになればD38やD41なども使用される。
更に
鉄筋の強度と径の関係は、建築現場で私の感覚では
SD295A | D10, D13, D16 |
SD345 | D19, D22, D25 |
SD390 | D29, D32, D35 |
SD490 | D38, D41 |
という区分けで使用されていることが多いので
覚えておくことをオススメしておくよ。
また
SD490以上の強度を持っている高強度鉄筋もあるので
その場合は、特記仕様書などを確認しよう。
次に
鉄筋の製造方法だけど大きく2種類あって「電炉法」と「高炉法」がある。
詳しい説明はこちらのページにおまかせしよう。
現在の鉄鋼の作り方には、大きく分けて「電炉法」と「高炉法」の2つの方法があります。
鉄スクラップを使用する電炉法では、電気によって原料の鉄スクラップを熱して溶かし、成分を調整しながら鉄鋼を生産します。
高炉法では鉄鉱石と石炭(コークス)を原料に高炉(溶鉱炉)で銑鉄をつくり、さらに転炉で精錬し、成分を調整して鉄鋼を生産します。高炉法でも、転炉での製鋼に一部鉄スクラップを使用しています。
そして
日本の主な鉄筋メーカーが高炉なのか?電炉なのか?
はこちらの表を参照してね。
高炉メーカー | 電炉メーカー |
新日本製鐵(新日鉄) 神戸製鋼所 JFEスチール |
朝日工業 伊藤製鐵所 大阪製鐵 大谷製鉄 関東スチール 岸和田製鋼 共英製鋼 合同製鐵 九州製鋼 三興製鋼 JFE条鋼 清水鋼鐵 城南製鋼所 ダイワスチール 拓南製鐵 千代田鋼鉄工業 トーカイ 東京製鐵 東京鐵鋼 東北スチール トピー工業 豊平製鋼 中山鋼業 中山製鋼所 北越メタル 三星金属工業 向山工場 山口鋼業 |
最後に
「建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]」によると
鉄筋材料については、このように説明されているよ。
でも、基本的には鉄筋コンクリート用棒鋼しか使用したことないけどね。
P.288
(1) 鉄筋は,形状から異形鉄筋と丸鋼に分けられる。また,製造原料の違いから鉄筋コンクリート用棒鋼と鉄筋コンクリート用再生棒鋼に分けられる。鉄筋コンクリート用棒鋼(JIS G 3112) は転炉,電炉又は平炉により鋼塊から熱間圧延によって製造され,鉄筋コンクリート用再生棒鋼 (JIS G 3117) は鋼材製造途上に発生する再生用鋼材を材料としてこれらを再圧延して製造される。
つまり
鉄筋の材料は一般的に使用されている鉄筋コンクリート用棒鋼と、
鋼材製造途上に発生する再生用鋼材を再圧延して製造される
鉄筋コンクリート用再生棒鋼があるが、鉄筋コンクリート用棒鋼を
使用するのが現在では一般的である。
そして
鉄筋の製造については、メーカーによって「高炉」で製造されたものと
「電炉」で製造されたものがあるが、基本的性質はJISによって定め
られているので同等であると考えて良い。
次回は、メタルタグについてお伝えする予定だよ。
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