地下に駐車ピットなどがあると地中梁に耐圧盤が取り付く
というパターンは多く、その場合は耐圧盤の天端でコンクリートを
打継ぐというケースが多いです。
そこで
今回は耐圧盤と地中梁との関係で注意すべきポイントを
実例を交えて2例お伝えしていきます。
まず
1つ目は、コンクリートの打設後に明らかに品質的に
必要な寸法が確保出来ていないケースです。
例えば
地中梁のせいが高いと耐圧盤がある場合は「下半分」
のみ先行して組み立てるというケースがあります。
すると
当然ながら「あばら筋」については、耐圧盤打設後に
必要な定着を確保出来るような寸法にフックを付けて
組み立てることになるでしょう。
しかし
実際に鉄筋を加工する鉄筋屋さんと工事を計画するあなたで
コミュニケーションが上手く取られていないと、コンクリート打設後に
品質事故を起こしてしまうのです。
では
先程の状態で、一体どんな問題が発生してしまうかというと
「あばら筋の定着長さ不足」が発生する危険性が高いのです。
なぜなら
ピットの耐圧盤には水勾配がある場合が多いからです。
たとえ図面に水勾配が記載されて鉄筋屋さんも把握していても
コンクリート打設前に上司から
「その水勾配で水溜り出来ないか?」
などと質問されると、深く考えずに
「確かにそうだな。それならもう少し勾配をキツくするか」
と水上のコンクリート天端の位置を図面と変えてしまうという
危険性が無いわけでもありませんし。
若しくは
そもそも水勾配が最初は考慮されていなかったため
慌てて水勾配を設置するという事もあるかも知れません。
すると
コンクリート打設後の耐圧盤の周囲には、鉄筋屋さんの
想定とはかなり違った定着長さのあばら筋が並んでいるはずです。
そこで
「鉄筋屋さん!あばら筋定着足りてないよ!!どうにかして!」
と文句を行ったところで
「こっちは図面通りだよ!!お前らが何とかしろよ!!!」
と怒りの反撃をくらう事は目に見えていますし、
鉄筋屋さんの虫の居所が悪いと、サッサと現場を後にして
帰ってしまう可能性もありますからね。
更に
工事監理者さんに見つかった場合には、確実に是正を求められるので
かなりの手間と時間とコストを掛けて修繕することになりそうです。
その時になって初めて「失敗」したことに気づくのでしょうね。
だから
耐圧盤に水勾配が必要になりそうな場合は、あらかじめ
少し余裕を持ったコンクリート天端を指示しておくことを
私はオススメしますよ。
それでは、今回はここでオシマイ。
続きは次回にします。
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