マスコンクリートって関係ないと思っていませんか?実は身近に…。

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マスコンクリートという響きを町中にある建物ではあまり聞きません。
どちらかと言うと、工場の大きな機械基礎などの「特殊」な部分に使用する
というイメージが私にはありますが、あなたはいかかでしょうか?

 

実は

マスコンクリートとして管理していなくても、マスコンクリートに該当する
ものってあなたの現場にもあるかもしれません。

 

まずは

マスコンクリートとして管理が求められる目安は

この場合の目安としては、最小断面寸法が壁状部材で 800mm 以上、マット状部材・柱状部材で 1,OOOmm 以上である。

と記載されており、柱状の部材は影響が少ないと言われていますが、
上記の寸法を満たすものとして考えられるのが

 

  • 大きな機械基礎
  • 厚さが800mm以上のマットスラブや擁壁
  • 大きな形状の基礎

 

特に、機械基礎や基礎・地中梁の基礎部分などは該当しやすいのでは?
と私は考えていますが、現実的には普通コンクリートとして
管理されていることが多いのでは無いでしょうか?

 

そこで

マスコンクリートと普通コンクリートの「管理のポイントの違い」ですが、
1番の違いはコンクリート内で発生するセメントの水和反応で発生する
「水和熱」の管理です。

 

具体的には

大きな断面のコンクリートは硬化中に発生する熱が周辺部より内部の方が
高くなりやすく、この温度差が硬化が一定数進んで温度が下がってきた場合に、
収縮変形が拘束されて「ひび割れ」を発生する恐れがあるのです。

 

だから

断面の大きな部材に使用するコンクリートについては、
セメントの水和熱の上昇スピードの遅い低熱ポルトランドセメントや
中庸熱ポルトランドセメント、高炉セメントなどを検討する事が必要です。

 

ただし

高炉セメントについては発熱速度が速い場合もあるので生コンプラントと
相談しながら検討をすすめると良いでしょう。

 

しかし

特記仕様書には使用できるセメントの種類については
「普通ポルトランドセメントのみ」と記載されている事が
ほとんどなので質疑で確認してみると良いですね。

 

更に

地域によっては高炉セメントの方が普通ポルトランドセメントよりも
材料単価が安い場合もあるので、品質を確保しながらコストメリットが
得られれば一石二鳥なので該当する場合は一度検討をする事をオススメしますよ。

 

最後に

建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]
の該当部分を確認して下さい。

P.500

6.13.1 一般事項

一般的に、断面寸法の大きい部材に打ち込まれたコンクリートは、硬化中にセメントの水利熱が蓄積され内部温度が上昇する。このため、コンクリート部材の表面と内部に温度差が生じたり、また、全体の温度が降下するときの収縮変形が拘束されたりして、ひび割れが生じるなどの問題が起きやすい。また、1回に打ち込むコンクリートの量が大量になる場合が多いので、入念な打込み計画のもとに施工しないと、コールドジョイントが生じやすくなる。コールドジョイントが発生しないようにするためには、連続的に打ち込むことが重要である。また、先に打ち込まれ硬化したコンクリートからの拘束をできるだけ小さくするように、打込み区画の大きさ、打込み順序・打込み時間間隔を定めることが重要である。

そこで「標仕」では、「部材断面の最小寸法が大きく、かつ、セメントの水和熱による温度上昇で、有害なひび割れが入るおそれがある部分のコンクリートは、マスコンクリートとしてこの節を適用することとしている。

この場合の目安としては、最小断面寸法が壁状部材で 800mm 以上、マット状部材・柱状部材で 1,OOOmm 以上である。
柱状部材では外部拘束が小さいので温度ひび割れは入りにくいが、構造体の強度発現に留意する必要がある。このほかに、設計要求性能のレベル、コンクリー ト強度、部材形状、拘束の程度、1回に打ち込まれるコンクリート量、 実績等を考慮して、その適用及び適用箇所を定める必要がある。

 

6.13.2 材料及び調合

(1) 部材の内部温度の上昇は、他の条件が同じであればセメントの水和熱に比例して増加する。セメントの水和熱の大きさは、セメン卜の化合物の中でも C3S (けい酸三カルシウム)、C3A (アルミン酸三カルシウム) の多少によって影響される。したがって、内部温度を低減するためには、できるだけ発熱量の小さいセメントを選定する必要がある。

マスコンクリートには、水和熱の小さい中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメン 卜又はフライアッシュセメント B種を用いるのがよい。これらのセメントは地域によっては入手が難しいことがあるので、事前に供給について確認しておくことが必要である。

高炉セメントB種は、これまで「標仕」のマスコンクリートの標準的なセメントであった。最近の高炉セメントは、高炉スラグの粉末度を高くして強度発現性を改良する傾向にあり、発熱速度が速くなるものもあるため、使用に当たっては注意が必要である。

 

つまり

マスコンクリートというのは、あなたにとって身近な存在ではないかも
知れませんが、実際には正式にマスコンクリートと呼ばれていなくても

  • 大きな機械基礎
  • 厚さが800mm以上のマットスラブや擁壁
  • 大きな形状の基礎

などに当てはまるので、あなたの現場で該当する場面があれば、
この記事の監理指針の該当部分だけでももう一度読み替えてして
打設後のトラブルが起きないように計画してくださいね。

 

また

高炉セメントについては、「使用に当たっては注意が必要」との事なので
こちらの記事を一度読んでから、生コンプラントと打合せして下さいね。

↓ ↓ ↓

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