現場でものを作るときは必ずチェックをするという
あなたでも「工場で作られたもの」は大丈夫だろう。
という気持ちがどこかにないかな?
実は
私は「工場で作るものはそれなりにプライドを持って
製作しているはずだから最低限のチェックは行って
いるのが当然ではないか?」という考えがある。
しかし
工場製作品も間違っているかも知れないから、
現場納入時に「受入検査」を行うべき。という
正論も同時に知っている。
ただ
現場というのは何時もとても忙しく出来るだけ業務を
減らしたいという願望との狭間で「既製品は正解」
という希望的観測のもとに、見てみぬ振りをしている
という事実があるのは自分で認めざるを得ない。
そこで
今回は、そんな面倒くさがりな私が直面した「既製品」
つまり、既製コンクリート杭にまつわるトラブルを
お伝えしていこう。
まずは
杭屋さんから掛かってきた1本の電話から。
「杭の材料が間違ったものが納入されてます」
という電話が私の所に掛かってきたのだ。
あわてて現場に行って確認すると確かに設計図書に書かれている
杭材料ではなかったのだ。
そこで
材料検収の写真を撮影した職員に確認すると、しっかとチェックした。
という回答を得たのだが、何を確認して写真を撮影したかというと
既製コンクリート杭の「径」、「長さ」を確認して撮影したという言うことだった。
しかし
現場に持ち込まれていた杭は「径」も「長さ」もあっていたが、
肝心なものが違っていたのである。
それは
「杭種」である。
ここで一応杭種について説明をすると、杭種とは同じ径、長さでも
内部の配筋が異なることにより、期待できる強度が違う杭のこと。
一般的にA,B,C種とありA種よりC種の方が強度が高い。
例えば、鉄筋で言うSD295A,SD345みたいなものである。
そして
私の現場で必要なものはB種だったのだが、搬入されたものはA種。
強度の低い設計に対して、強度の高い杭が搬入されていれば、
構造設計担当者に問題の有無を質問することが出来たかもしれないが、
実際は、強度の高い設計に対して、強度の低い杭が搬入されているので
どう考えても使用することは不可能である。
結局
返品を行って、現場は2週間ほどストップせざるを得なかった。
しかし、知らずにそのまま杭を打設して後から発覚することに比べれば
怪我の程度は本当に浅かったと感じたよ。
ここで
もう1つの話は次回に持ち越しをさせて頂くね。
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