鉄筋の短い破片を持ってきて
「製造者、径、強度を当ててみろ!」
と言われると、あなたは答えることが出来るだろうか?
実は
私が答えることが出来る可能性は五分五分である。
もしも、鉄筋にロールマークが付いていれば可能だけど、
ロールマークが確認できなければ無理である。
ということで
結論から先に述べると「ロールマーク」と言うのは鉄筋を識別
するために「鉄筋自体についているマーク」のことであり、
「製造メーカー」「強度」「径」などが識別できるのだ。
ちなみに
実際のロールマークはこちら。
更に
「表示色」もロールマークと同じで「色」によって鉄筋を識別するのだが
どちらかと言うとロールマークのほうが主流であると感じるよ。
ちなみに
「鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説第5版 [ 日本建築学会 ]」には、
鉄筋の識別方法が記載されているの参考にして欲しい。
解説表2.3 鉄筋コンクリート川棒鐫の種類を区別する表示方法(JIS G 3112 )-2010 改正
区分 種類の記号 種類を区別する表示方法 圧延・マークによる表示 色別塗色による表示 丸鋼 SR 235 適用しない 赤( 片断面) SR 295 白( 片断面) 異形棒鋼 SD 295 A 圧延マークなし 適用しない SD 295 B 1 または| 白( 片断面) SD 345 突起の数1 個(・) 黄( 片断面) SD390 突起の数2個( ‥ ) 緑( 片断面) SD 490 突起の数3個( ‥・) 青( 片断面) [ 注]
( 1) 丸鋼および異形棒鋼は, 解脱表2.3 によって種類を区別する表示を行う.
ただし, 異形棒鋼の種類を区別する表示は, SD 295 A を除き圧延マークによることとし, 寸法が呼び名D 4, D 5, D 6,D 8 の異形棒鋼およびねじ状の節をもった異形棒鋼に限り色別塗色としてもよい.( 2 ) 異形棒鋼は, 圧延マークによりて製造業者名またはその略号による表示を行う.
ただし, 寸法が呼び名D 4,D 5,D 6,D 8( コイルを除く)の異形棒鋼および異形表面の形状によって製造業者名が明確な異形棒鋼に限り, この表示を省略してもよい.
ここで
なぜロールマークが必要かと言えば、加工時、組立時の
材料の選定間違いが起こる可能性が高いからである。
特に、同じD29でも、建築ではSD390を、土木ではSD345を
使用することがあるので、どちらの工事も請け負っている
加工場であれば、同じ径で違う強度の材料が混在しているから。
もしも
取り違えて加工してしまって、継手部分の引張試験を行って
必要な強度が出ていなくて建物を部分的に取り壊すような
大きなトラブルも発生する可能性があるからね。
あなたは
「まさかそんなことは無いだろう」
と感じるかもしれないけど、世の中は色んな事が起こっているので
もしかしたら現実になっていることは十分にあるよね。
だから
鉄筋の材料搬入時や受入時、配筋完了時などに鉄筋の
ロールマークの写真を撮影しておくことは、後にトラブルが
発覚した場合に非常に効果的な資料になるのだ。
更に
ロールマークの写真を撮影する場合は、チョークなどで
突起の部分を塗ってあげると、後から見て判別しやすいので
私はオススメしているよ。
つまり
鉄筋を現地で判断する最終材料、ロールマークとは鉄筋製造時に
鉄筋を識別することの出来る「圧延マーク」のことを指していおり、
具体的には、「製造所」、「強度」、「径」を判別することが出来る。
更に
表示色とは、鉄筋に塗料を印として付けることにより識別する
という仕組みであり、どちらも加工時、組立時に規定の材料を
間違いなく施工するための工夫である。
では
もしも、間違いが発覚してしまった時はどうすればよいのだろう?
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