前回は、鉄筋の加工についてお話をしたが途中から脱線をしてしまった。
少し弁解させて頂きたくと、別に綺麗事を言いたかったわけでもなく、
経験上、大なり小なり波にのまれてしまうことはあなたにもきっとあるはず。
私自身も、そういった面を当然持っているし、実際に痛い目にもあってきた。
だから
あなたにはきちんとした判断基準を持って欲しい。
という事をお伝えしたかったのだけど、そろそろ本題に戻ろう。
まず
「鉄筋を加工場で溶接して先行組立を行いたいのですが?」
という要望を鉄筋業者さんから言われたらあなたならどうする?
もしかしたら
「鉄筋は溶接してはイケないよ」
と言って却下するかも知れないし、特に考えずに「OK」するかもね。
でも、私は「YES」でも「NO」でもない答えをあなたに期待したい。
それは
「どんな機械で溶接しようとしているのか?」
という事を確認して欲しい。
なぜなら
溶接方法によっては鉄筋の品質に悪影響を及ぼす可能性のある
工法も有るので注意が必要だからである。
例えば
アーク溶接の点付け溶接による先行組立を行うと、溶接時に
アークストライクが発生して鉄筋が断面欠損する恐れがある。
鉄筋の断面欠損は必要応力が確保できないため
強度不足に直結し品質問題を巻き起こしてしまうのだ。
だから
鉄筋の先行組立時における溶接に関しては「NG」という認識を
持たれている方がいるのである。
しかし
電気抵抗溶接を使用すれば断面欠損は発生しないので、
「どんな機械を用いて溶接するか?」が重要になってくるのだ。
だから
事前に鉄筋加工場の設備を確認したりして「所定の品質」を
確保することが出来るのか?についてのチェックが必要だね。
加工場の設備に、電気抵抗溶接を行う機械の記載が無くて
実際に加工場に行ってみると、コソッと溶接機が置いてある場合は
アーク溶接で点付け溶接をしようとしている可能性があるから要注意だよ。
つまり
鉄筋の加工で絶対にしてはいけない2つの方法とは、
- 熱して鉄筋を加工すること
- 鉄筋に対してアークストライクを起こすような溶接を行うこと
としており、原因としては「入熱による性質の変化」「断面欠損」
の恐れが非常に高いからである。
しかし
溶接金網などにおいて、実際に鉄筋同士を溶接にて固定しているが、
そういった場合は「アーク溶接」ではなく「電気抵抗溶接」を使用すると
断面欠損の恐れがなくなるので、鉄筋を先組して配置する場合などで
覚えておくと役に立つ時もあるかもね。
あっ、そうそう。
「溶接」と言えば過去にこんな記事も書いたので合わせて読んでみてね。
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