鉄筋のスペーサーは部位ごとに事前に仕様を打合せた方が良い理由(1)

Sponsored Links
/* */

 

鉄筋を適正なかぶり厚さを確保して組み立てるのに欠かせないのが
「スペーサー」だよね。

 

では

あなたはスペーサーをどのくらい管理しているかな?

 

もしかしたら

「スペーサーの種類、大きさ、色まで全て指示しているよ」

という人もいれば

「スペーサーなんて鉄筋屋さんが適切に管理するものでしょ」

という人もいると感じるよ。

 

なぜなら

何を隠そう私も、最近は前者の方が良いと分かっているけど、
会社に入って何年も何年も後者の考え方だったからね。
実際に、スペーサーの管理まで余裕は無かったし、意識も無かったよ。

 

だから

今回は、もしも、あなたがかつての自分と同じ考え方を
していたのであれば少し考えて欲しいという意味を込めてお伝えする。

 

まず

建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]」のスペーサーに該当する
部分を読んでみて欲しい。

 

P.298

(1) スペーサーは, 鉄筋のかぷり厚さを保つために極めて重要なものであり, 使用部位や所要かぶり厚さに応じて, スペーサーの材種や形状・サイズを使い分けることが大切である。

(2)  市販のスペーサーは, 鋼製,合成樹脂製等があるが,「標仕」で, スラブのスペーサーを原則として鋼製としているのは, コンクリート打込み時の鉄筋の脱落等を考慮したためである。

(3)  断熱材打込み部では, 普通のスペーサーでは断熱材にくい込み。かぷり厚さの確保が難しいので, めり込み防止の付いた専用スペーサーを用いる。

(4) 下端が打放し仕上げとなる場合のスラブ用スペーサーは, 露出面が大きくならないようなものを使用する。また,インサート類の見え掛りとなる部分には錆止め塗料を塗り付けるよう「標仕」6.8.5(3) で規定されている。「標仕」6.8.5(3)は、型枠取り外し後の処理として規定しているが、コンクリートの打込み前に処理してもよい。

 

ここまで読んでみて「色々書いてあるな」と感じたかな?

 

そこで

あなたに1つ質問がある。

あなたの現場のスラブのスペーサーは「鋼製」かな?

先程の文面を見ると「スラブのスペーサーは原則として鋼製」とある。

当然、現場の状況によって変わるけど普通の型枠の在来スラブなら
何も指示しなければ、合成樹脂製のスペーサーが多いのでは?
と私は感じている。

 

具体的には

下端筋のスペーサーには「サイコロ」と呼ばれる30x40位のサイズ、
上端筋のスペーサーには「タワー」と呼ばれる背の高いサイズが使われていないかな。

 

なぜなら

まず、最大の理由は「価格が安いから」だろうね。

通常、鉄筋のスペーサーは鉄筋屋さんが負担するので、
1円でも安い材料を使いたいのが基本だよね。

 

そして

安価なわりには使い勝手も良く、強度も支障のない程度はある。

 

更に

コンクリートとの接触面が仮に露出面だとしても「錆」
の心配がないのはメリットだと感じるよ。

鋼製のスペーサーだと、防錆処理がいくらしてあっても、
左官さんがサンダー掛けをすると、金属面が露出してしまう
危険性があるからね。

数年後に、バルコニーの天井に等間隔で錆が出たなんて
クレームを受けるのは嫌だからね。

 

だけど

もしも、あなたが事前にスラブのスペーサーに合成樹脂製を
使用する事を施工計画書などで記載していなければ、

建築工事標準仕様書や建築工事監理指針などの基準とは
違う仕様を勝手にやってしまっている。

という風に受け取られても仕方ないよね。

 

だから

あなたの立場を守る意味でも、事前にスペーサーの種類を
打合せておくことは重要だよ。

 

そして

続きは次回にするので楽しみにしておいてね。

  • コメント: 0
banner11

Sponsored Links


関連記事

  1. 鉄筋屋さんに対し、良く計算されていると感じる柱の主筋の長さの秘密とは?

  2. 独立基礎のはかま筋は独立基礎においては実際には不要なのか?

  3. 鉄筋のあきの最小値にコンクリート粗骨材寸法が基準にある理由とは?

  4. 溶接継手と機械式継ぎ手のメリットとデメリットとは?

  5. 柱・梁の断面算定の考え方と鉄筋の納まりの実態との差とは?(1)

  6. 鉄筋工事における建築工事監理指針による基本要求品質とは?(材料編)

  7. 鉄骨の製品検査に工事監理者さんを連れていくのは当たり前なのか?

  8. 鉄骨工事の施工計画書に関するチェックのポイントとは?(3)

  9. 足場に使用するメッシュシートは1類、2類があるが使い分けの基準は

コメント

  • コメント (0)

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

プレゼント付無料講座開催中

kouza
仮設 syoseki

プロフィール

myImage

作者:TM


私の職業は「建築現場の現場監督」。
何だかんだで15年働いている。
その15年分のノウハウを若い現場監督さんのために、全て暴露しくよ。

なぜ、キツイ建設業界で働き続けているのか?
その秘訣がしりたいあなたは
今すぐこちらをクリック

↓ ↓ ↓

詳しいプロフィールはこちら


あっ、
ただし「社外秘」や「会社独自の技術」じゃ無いよ。
あくまで、「私個人の感じる本音」だよ。

最新記事・おすすめ記事

  1. 鉄骨工事の中で自然と行われている「環境的な配慮」とは?

    2023.04.10

  2. 鉄骨の製品検査に工事監理者さんを連れていくのは当たり前なのか?

    2023.04.03

  3. 鉄骨工事の工事現場施工要領書に関するチェックのポイントとは?(…

    2023.03.27

  4. 鉄骨工事の工事現場施工要領書に関するチェックのポイントとは?(…

    2023.03.20

  5. 鉄骨工事の工事現場施工要領書に関するチェックのポイントとは?(…

    2023.03.13

  1. 一級建築士の資格勉強を始める時期はいつからか?という悩み

    2020.08.07

  2. 在宅勤務になり建築現場に配属されない時の学習方法は?という悩み

    2020.04.20

  3. 最上階の梁の定着は一般解の梁と何が違うのか?

    2019.02.15

  4. TMです。新年明けましておめでとうございます。【悩める建設マンへ】

    2019.01.01

  5. 工事写真をスマホで管理する時代が到来!Photo Manager(2)

    2017.10.09

人気記事ランキング

月間週間デイリー

ブログランキング

にほんブログ村 住まいブログ 現場監督へ