独立基礎の建物の場合は、基本的に基礎と地中梁に段差がある。
だから、掘削後に捨てコンを打設した後の墨出しって非常に大変。
規模の小さい建物でベタ基礎ならXとY方向に基準の墨を出してあげると
測量が終わってしまうかもしれないけど段差だらけだから、当然死角が多い。
だから
測量器械を据え変える数だけでもかなり多くなるので、
私は自分で測量をしていた時期はいつもトータルステーションで
座標を打ち込んで測量をしていた。
ちなみに
トータルステーションってもしかしてピンと来ない人もいるかも
しれないので、一応説明しておくと、レーザーでピンポイントに
測量したいポイントを出すことが出来る。
実際の測量誤差的には2~3mmと言う所が感覚的である。
自分の会社になくても測量機器を扱っている会社から
リースで借りることも出来るので、地上に上がってくる迄は、
トータルステーションの方が数十倍も便利であると私は感じるよ。
形としてはこんなの。
ニコン・トリンブル(Nikon-Trimble) トータルステーション NST-307Cr(実測セット付/プリズム/ピンポール)【三脚付:OTタイプ】 532P15May16
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では
実際に測量をする上での「座標」をどのように決めるのか?
という問題だけど、事前に敷地測量などを測量会社に依頼している場合は
「座標値」が欲しいというと提出してくれる。
しかし
私は測量会社からもらった座標値をそのまま使わないようにしている。
一度、図面に測量会社からもらった座標値をCADに落とし込んで
所定の位置まで「回転」させて新たに作りなおしているのだ。
なぜなら
測量会社の座標値は、「座標軸が方角に沿っているから」である。
具体的には
建築現場の通り芯で同じ「1通り」でも、「A通り」と「E通り」では
座標値のX,Yの値がそれぞれ違うということ。
例
1,Aの座標値 -224.125 , 146.254
1,Eの座標値 -226.265 , 168.354
となっているのである。
「えっ、何がいけないの?
それでも測量できるよね?
事前に出したい座標をCADで調べておけば良いよね」
とあなたは感じるかもしれない。
しかし
実際の測量をしていると、よく直面するのが
「あ~、1m返りは法面だ。2m返りを出そう」
という、予定していた座標が都合の悪いポイントであるという
トラブルってよく起こるのである。
そんな時に
X方向とY方向が「東西南北の方角」に沿っていると、
一度事務所に帰って計算しなければいけなくなることもある。
だから
私は測量会社からもらった敷地境界も含めた座標値を、
回転させて軸を通り芯と合わせているのである。
そうすると、先ほどの場面でも「直観的に」座標の変更に対応できる。
ちなみにこんなイメージだよ。
事前にトラブルについて対策しておくことは
スムーズに現場を進める上で非常に重要だよ。
あっ
それと、基準点は出来るだけ「-」を入力しなくて良い所を
選択すると効果的。
更に
座標値は、XとY方向には気をつけてね。
つまり
基礎・地中梁の段差の多い箇所の測量で実践したあるアイデアとは、
現場に合わせた「座標」を作成して測量を行うということ。
大切なのは「事前にトラブルについて予想をして対応をしておくこと」。
だけど
現場の最初の乗り込み事って本当に忙しいよね。
そんな時はこちらの記事も合わせて読むと理解が深まるよ。
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