柱・梁の断面算定の考え方と鉄筋の納まりの実態との差とは?(2)

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前回は、設計時に設定した柱・梁の幅が現場の諸条件において
その通りにいかない場合があることをお伝えしました。

今回は、前回の引用部に記載のありましたこちらの部分について
お伝えしていきましょう。

引用:「鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説第5版 [ 日本建築学会 ]

断面算定では梁の方向や梁筋の上下端によって一段筋のかぶり厚さが異なってくることまで厳密に取り込んだ計算をすることは少ない.したがって, どちら方向の梁筋を上側にするべきかといったことは,スパンや小梁との位置関係などから決まることになるが, 設計図書に示されていない場合には工事監理者の指示を受ける必要がある.

 

つまり

今回お伝えするテーマは梁の1次筋、2次筋についてです。

 

まず

梁の1次筋、2次筋を簡単に説明しますと

「X・Y方向でどちらの梁の主筋を先に配筋するか」

を定めたものです。

 

具体的には

梁の朱筋はX・Y方向それぞれ配筋されるため柱部などで交差します。
すると、どちらかの主筋が一方の主筋の上を交差することになります。
そこで、先に配筋される方向を1次方向といい、主筋を1次筋と呼びます。
また、後から配筋する鉄筋(上側から交差する鉄筋)を2次筋と呼びます。

 

また

「あなたの現場ではX・Y方向どちらが1次筋方向か?」

については、大抵の場合は設計図書の構造図の伏図あたりに
書いてあるはずなので1度は確認すべきでしょう。

もしも、記載のない場合は工事監理者さんへ確認しましょう。
基本的には、建物の長手方向が1次筋方向である現場が
私の経験上9割位かな?という印象ですけどね。

 

更に

小梁の配筋については、基本的には大梁の主筋に何重にも
重ならないように上下の位置を決めていかないと上下方向の
かぶり厚さ不足を招いたりする可能性が非常に高いですからね。

 

つまり

梁の配筋に関しては、設計図書ではほとんどの場合において
X・Y方向でどちらの梁の主筋を先に配筋するかが定められています。

 

なぜなら

主筋の配筋の後先によってコンクリート上部からの主筋位置が
主筋径分変わってしまうので、構造計算上の有効せいや重心位置
などに影響を与えてしまうからです。

 

そこで

先に配筋する鉄筋を1次筋、1次筋の上に後から配筋する鉄筋を2次筋
と呼び、たいてい構造図の伏図などに記載されているので事前に確認して
おくことをオススメしますよ。

 

また

9割の現場では、建物の長手方向が1次筋方向なのですが、
短手方向が1次筋方向である建物も実際にいくつか経験したことが
ありますからね。

 

あっ!そうそう

うっかりミスを防ぐために過去にこんな記事を書いていたので
合わせて読んでいただくと効果的ですよ。

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