建築現場で良くある後ろ向きな仕事の代表といえば「斫り(はつり)」。
出来れば0で行きたいけど、そんな理想的な現場に私は一度も
出くわした経験がないというくらい、切っても切れない関係。
そして
斫りを指示するのに現場に出すのが斫り墨。
しかし
あなたは斫り墨を出す前にどれだけ検討した?
と言うような話題が最近あったのでお伝えしよう。
それは
とある色んな地方の会社の人間が集まる雑談の中から始まった。
「墨出し屋を使っていると若い職員が墨通りにしか物が作れないんだよね。
ほんのチョットの調整で何とかなることも多いのに…」
という会話である。
確かに
実際に現場での部下からの相談事でも「それ斫らんでも良くない?」
と言うことはいくらでもある。
- サッシの出入りや振り分けを少し調整する。
- タイルの目地やシール代を調整して納める。
などなど、たった3~5mm程度を調整しても斫りが無くなることもある。
だから
そもそも「斫るべきなのか?」について検討することは非常に重要。
その為には、まずは自分で色々試して失敗してみないとね。
次に
当然といえば当然だけど、「斫り」の後は「塗り」が来る。
そして、塗った所と元々の躯体の界面は剥離しやすい。
例えば
防水などの水切りのヌスミ(欠き込み)を忘れた時などは、
少し大きめに斫って、後からモルタルで形を整えると、
塗ったモルタルの界面からクラックが出て水が回りやすい。
せっかく、水の侵入を防止する為に設置している水切りの裏から
水が回って漏水の原因を自ら作ってしまうという本末転倒の事態に、
なってしまう危険性があるから。
だから
斫りを行う前に、後で塗らずにコンクリートカッターのラインを
そのまま活かすように作業してもうことも時には必要だよ。
あらかじめ言っておけば、それなりのラインに仕上がるからね。
最後に
斫りを行う上で、色々文字を書き込むことってあるよね。
その文字はチョークだったり、マジックだったり、
書き込み場所によってケースバイケースであると感じるけど、
斫った後に文字がどうなるか?
って少し考えた方が良いかも?
例えば
お客さんや会社の偉い人が現場を歩いていて
目立つように「30mmハツリ」と文字が残っていたままなら、
「どうしたん?何か間違えたの?」
と余計な詮索をされてしまうからね。
斫った後に確実に消えてしまう所に説明の書き込みをしたほうが、
後から「恥ずかしい思い」をしなくて済むからね。
つまり
斫り墨を出す上で検討すべき3つの注意点とは、
- そもそも斫るべきなのか?
- 斫って塗らない方が良い所は無いか?
- 斫りの書き込みは、作業終了後にどうなるのか?
を注意すると劇的に変わるよ。
あくまでも斫りは後ろ向きの仕事なので、
上手に調整を行って少なくしたいと私は感じている。
ちなみに
人間が出す墨は「誤差」があって当たり前。
その誤差を上手く処理できるかが、現場監督の手腕の見せ所だよ。
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あっ
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