物流施設などの鉄骨の耐火被覆として採用が多い耐火材巻付け工法
ですが、ニチアスさんの商品名では「マキベイ」が有名です。
ただし
耐火材巻付け工法は、ロックウール吹付工法に比べれば費用が高く、
先日お伝えしたケイカル板やALCなどの意匠性を求める所でも使用
するような工法ではありません。
一体、どの様な場所で使用するのが適しているのか?
を、現場としてのコスト目線も含めてお伝えしていきましょう。
まず
コストについては、次回お伝えする耐火塗料もいれると高い順に
耐火塗料 > 耐火板 > 巻付け > ロックウール
の順番となるので、現場としてコストを抑えて施工するには、
ケイカル板やALCなどの耐火板を巻付け工法に変更しつつ、
さらに、巻付け工法をロックウール吹付けに変更できないか?
を検討する方向で考えていきます。
すると
耐火板の貼り付け工法を、巻付け工法にする場所ですが、
そもそも、巻付け工法は、デザイン性より機能性を求めている
箇所で使用される場合が多いので、変更する場面は少ない
かも知れませんが、1つあるのは「雨がかり」の範囲です。
私が経験した中では、雨がかりの場所には巻付け工法を使用しない
という考えのお客さんと「どこまで雨が吹き込むか?」を協議
したことがありました。
そして
巻付け工法は、耐火材が露出する所で使用されることが多いです。
なぜなら
耐火材が隠れるような場所だと、一番安価なロックウール吹付け
工法で施工して、表面を違う仕上げ材で作れば良いからです。
更に
ロックウール等が落下すると困るような箇所で用いられる
ケースが多いです。冒頭であげた物流倉庫では、商品の
移動時に鉄骨に接触してしまうと、ロックウールの場合は
剥落してしまう可能性が高いので用いられません。
しかし
この「ロックウールが落ちてはいけない」という考え方は、
設計者の自己満足(しっかりと配慮した結果)であり、
当のお客さんはそこまで気にしていない可能性もあるので
提案してみる価値はあるかと私は考えています。
ショッピングセンターのフードコートで天井の無いデザインで
耐火被覆がロックウールというのも有りますからね。
私なんか「何かの拍子にロックウールが食べ物に落ちたら
問題になるんじゃないか?」と勝手に心配してしまいますが。
最後に
「建築工事監理指針(令和7年版上巻)」
の該当部分を確認して下さい。
P.616
7.9.6 耐火材巻付け
(1) 化粧表面材を施 した耐熱ロックウールのブランケットを鉄骨に巻付け、鋼製のワッシヤー付 き固定ピンを鉄骨に現場でスタッド溶接 して、留め付ける工法であ り、そのまま仕上げとしても用いることができる。
固定ピンを構造体にスタッド溶接することから、構造体への影響や施工上の配慮事項等について、施工前に設計若しくは監督職員と協議する。(2) 施工上の留意点
(ア) 搬入された材料が、それぞれの認定に適合 していること及び厚さや数量が設計仕様に準拠 していることを確認する。検査成績書等で材料の物性を確認する。
(イ) 材料は、あらかじめ工場でプレカットしたもの又は標準品を搬入 して、現場で鉄骨の周長に合わせて切断する。
(ウ) 材料は、屋内で雨水の掛からないところに保管する。保管場所の周囲には安全通路を確保し、他の作業に支障のないようにする。
(工) 施工に支障を来すおそれのある浮き錆及び油等は、施工に先立ち十分に除去する。
(オ) 取付けに際しては、材料のたるみ、ビンの溶接不良、日地部における突合せの隙間等が生じないように注意する。施工後の鉄骨断面の例を図7.9.2に示す。
(力) 雨水が掛かる場合の施工は避ける。
(キ) 必要に応じて、衝撃が掛からないように養生する。
図7.9.2 耐火材巻付け工法の施工例
つまり
耐火被覆材として巻付け工法を採用する場合は、以下の
3項目に全て当てはまる場合が多いです。
- デザイン性より機能性を求めている箇所で使用される
- 耐火被覆材が露出する箇所で使用される事が多い
- ロックウール等が落下すると困るような箇所
しかし
商業施設やオフィスなどで天井材が貼られていない(スケルトン天井)
の場合でも、ロックウール吹付け工法が採用されている事があるので
現実的には、こだわっている人も、そこまでいないのではないだろうか?
とも感じてしまいます。
なので
設計図書には記載されているけど、発注者や設計者の法に、
実は強い思い入れのない場合もあるかもしれないので、
VE提案の1つとして、あげてみるのも1つの手ですよ。
ちなみに
お客さん(施主)や設計事務所と上手くやっていくコツも、
いくつか記事にしていますが、その1つを今回紹介しておきますね。
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