鉄骨の柱と梁を組立てると建物の姿が想像できるようになります。
更に、今後の作業の為に鉄骨の上部にクレーンを設置することも
あると思います。
すると
「あ~!やっとここまで来たか~!」
と感無量にひたってしまいそうですよね。
しかし
「その鉄骨、ちゃんと自立しますか?」
と言われて、胸をはって「大丈夫です!」と、はたして
あなたは答える事が出来ますか?
特に
- 鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の建物
- 鉄骨造(S造)だけど、クレーン等の荷重を鉄骨に負担させる建物
- 大空間やデザイン性のある建物で、柱や梁が水平・垂直でないもの
の場合は、鉄骨の倒壊についての検討が必要です。
まず
SRC造については、鉄骨とコンクリートが合わさって
初めて、所定の強度を発揮します。
つまり
鉄骨を建てた段階だと、構造的に不安定な場合が
あるのという事です。
具体的には
自立が出来るほどのメンバー(サイズ)ではない、
もしくは、自立はするが地震などの揺れが来た場合
には倒壊してしまう可能性がある。などの状態です。
この場合は、費用は掛かりますが、構造設計者などに
自立検討をしてもらい、補強部材やワイヤーなどで
適宜補強しないと、大事故につながってしまいます。
次に
鉄骨を建て終えた後に、屋上にクレーンを設置する場合は、
建物に過剰な荷重や揺れが生じます。
そもそも
通常の構造計算で、屋上にクレーンの荷重を見ていないので
建物自体の鉄骨のサイズアップも含めた検討が必要に
なる可能性もあるので、構造の計画変更が生じることも
あるので、屋上にクレーンを設置するとなった段階で、
構造設計者と相談しながら、施工計画を立てる必要があります。
また
大空間の建築物などでは、部材のジョイント位置や、
建てる順番などで、構造的に不安定な場合が、想定
されます。
そして
SRC造と同様に、全て組みあがった状態で初めて
構造的に成立するという事になるので、建て方途中は
構造的にも、部材のバランス的にも非常に不安定な
状態が続きます。
だから
部材のジョイント部などを仮設の架台で適切に保持したり、
ワイヤーなどで転倒防止策を講じたりする必要があるので、
あなただけの知識で不安であれば、上司や専門業者、
社内の有識者や構造設計者と一緒に、どの様に施行するか
を検討していって下さいね。
最後に
「建築工事監理指針(令和7年版上巻)」
の該当部分を確認して下さい。
P.632
(ウ) 建方時の風荷重等に対する補強には、次のようなものがある。
(a) 鉄骨鉄筋コンクリート造の鉄骨には、コンクリートが打ち込まれるまでは、十分な耐力を発揮できないものがある。特にこのようなものは設計担当者と打ち合わせ、必要な補強をする。
(b) 鉄骨に重量物を載せたり、土圧をかけたり、通常の構造計算で、考えていない大きな荷重を負担させる場合には、計算書を提出させ、 設計担当者と打ち合わせて安全を確認する必要がある。
つまり
SRC増の建物だと、鉄骨とコンクリートが合わさって初めて
建物としての耐力を発揮するので、鉄骨を建てただけの状態だと
最悪の場合は、自立さえもしない場合があるので、設計担当者など
と事前によく打合せをおこなって、必要な補強があれば、同時に
おこなっていかなければいけません。
更に
鉄骨の上に、クレーンを直接載せる場合や、高層建築物で
地上と地下を同時に進めているような案件も、鉄骨に対して
構造的に大丈夫な範囲や補強を確認しておく必要があります。
また
敷地条件などによって、揚重機を建物内に配置するべきか?
など、どの様に計画するのか?については、現場で考える
楽しい内容だと私は感じています。
(自分の計画したものが、実際に実現されると楽しいです)
揚重機の計画については、下記が参考になると思うので
合わせて読むと理解が深まりますよ。
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