パラペットは言うまでもないけど屋上の防水の端部を納めるのに
非常に重要な役割を果たしています。
もしも
パラペットの不具合により屋上防水の端部から水が廻ると、
下階への漏水に直結することにより即クレームへと発展します。
そこで
今回は、屋上のパラペットに関する話題をお伝えしましょう。
まずは
「鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説第5版 [ 日本建築学会 ]」の
該当部分を確認して下さい。
P.255
b.パラペット
一般に屋上階では防水層の養生のために押えコンクリートなどが打ち込まれるが,この押えコンクリートは気温の変化や日射により高温・冷却を繰り返し,伸縮を生じ,パラペットの立上り部に圧力を加える.このため,パラペットの基端部に大きなせん断力・曲げモーメントが生じてひび割れが発生しすく,このひび割れを通じて雨漏りなどの障害が生じやすい.したがって,パラペットの配筋は複配筋としてスラブおよび梁に定着させるのがよい.単配筋のパラベットは屋根面の小さな場合や,ひさしのパラペットなど軽微なもの以外は用いないほうがよい.
ここで
参考文献をよむと以下の事が書いてありました。
- パラペットの立上りは複配筋であること
- パラペットの立上りの定着はスラブ・梁などにしっかりと定着させること
これで、3つのうちの2つの項目について答えが出ましたね。
今回3つのポイントとタイトルをあげましたが、この2つは
実は、非常に重要な事柄ですが、ほとんどの設計図書には
既に網羅されている内容ではないかと私は感じています。
だから
あなたは「重要」であるという認識をしてもらうだけで
設計事務所などに働きかけることは特に必要ないはずです。
すると
今回、私が本当にお伝えしたい内容は最後の1つになります。
それは
パラペットは他の屋上温度変化が大きいため収縮量が多いので、
誘発目地でしっかりと縁切りを行うことです。
きっと
あなたも理解しているとは思いますが屋上部分は、
直射日光がガンガン当たるため夏は非常に暑くなる一方、
冬場は冷え込み、建物の中でも寒暖の差が激しい部分です。
すると
温度変化が大きいところはコンクリートも収縮量が大きくなるので、
収縮量に耐えきれなくなった躯体には「ひび割れ」が発生します。
「きちんと誘発目地入れているから大丈夫!」
とあなたは感じたかも知れませんが、本当に大丈夫でしょうか?
実は
私が自分の施工した物件の2年検査に行ったときに、
誘発目地と誘発目地の間に「ひび割れ」を発見した事があります。
「誘発目地はただ入っていれば良い」という訳ではない。
と言うことを今回お伝えしたかったのです。
つまり
パラペットの配筋は漏水に直結!クラックを防ぐためのポイント3つとは
- パラペットの立上りは複配筋であること
- パラペットの立上りの定着はスラブ・梁などにしっかりと定着させること
- 温度変化が大きいため収縮量が多いので、誘発目地でしっかりと縁切りを行うこと
であり、誘発目地のピッチは下階のバルコニーよりも
短いピッチで設置することをオススメします。
これは
「見えない瑕疵」を工事中に防ぐためにも非常に有効ですからね。
竣工してからクレームに悩まされるのが嫌だったら、
こちらの記事と合わせて覚えておきましょうね。
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