「30Nのコンクリートのスランプ落としたら
高性能抜けるかな?」
と現場のコンクリート担当者や生コン工場の担当者に所長が聞くのは
こんな事ぐらいなのが実情かも知れません。
ちなみに
先程の会話の「高性能」とは「高性能AE減水剤」と言われる混和材で、
「高性能」を除いて「AE減水剤」にすることが出来ないかな?
と問いかけているのです。
なぜなら
こういう時は、95%以上の確率で頭の中でソロバンをはじいているのです。
高性能AE減水剤と普通のAE減水剤では、1m3あたりの単価差が、
地域の組合などによりばらつきはあると感じますが、500円以上は
あるはずなので、100m3で5万円、5000m3で250万円です。
そう考えると非常に大きな価格差ですよね。
なんか、コンクリートの記事は金の話が多いけど、
それだけ儲けるためのネタがあるという事なのです。
だけど
冒頭の所長の言うように勝手に高性能AE減水剤をAE減水剤には
変更することは出来ません。
なぜなら
高性能AE減水剤を入れることで、ワーカビリティーを確保したまま、
水セメント比を下げることが出来るからです。
普通のAE減水剤を使用すると水セメント比がクリアー出来ないからです。
そこで
所長はスランプを18から15に落とせば、必要なセメント量が減るので
普通のAE減水剤でも良いのでは?と聞いたんだと感じますよ。
最後に
「建築工事監理指針(令和7年版上巻)」
の該当部分を確認して下さい。
P.383
(4) 混和材料
(ア) 混和材料の使用目的は、概ね次のとおりである。
(a) ワーカビリティーの改良
(b) 長期材齢又は初期材齢における強度の増大
(c) 水密性の増大
(d) 乾燥収縮の低減
(e) 耐久性の向上
(イ) 混和材料の分類を、図6.3.4に示す。
図6.3.4 混和材料の分類
P.384
(エ) AE剤
AE剤は、コンクリー卜中に無数の独立した微細気泡を連行させることができる。この気泡は、コンクリー卜に次のような効果をもたらす。
① ワーカビリティーが良くなる(気泡のボールベアリング作用による)。
② 単位水量を減少させることができる(一般的にプレーンコンクリートに比べて8%程度減少できる。)。
③ コンクリートの凍結融解に対する抵抗性を増し、耐久性を向上させる。
④ 中性化に対する抵抗性を増大させる。
⑤ 圧縮強度は、空気量にほぼ反比例して低下する。
(オ) AE減水剤
(a) AE減水剤は性能に応じて、標準形、遅延形及び促進形に分けられる。その用途等は次のとおりである。
① 標準形は、主として一般のコンクリートに用いられる。
② 遅延形は、コンクリートの凝結を遅らせ、暑中コンクリートやマスコンクリート等に用いる場合がある。
③ 促進形は、コンクリートの初期強度の発現を促進し、寒中コンクリート等に用いる場合がある。(b) AE減水剤は、セメント粒子に対する分散作用と空気連行作用を併有する混和剤で、所要のコンシステンシーを得るための単位水量は、プレーンコンクリートに比べて12~16%減少できる。
(カ) 高性能AE減水剤
高性能AE減水剤は、高い減水性とスランプ保持性能を有する混和剤で、凝結時間が通常のコンクリートとあまり変わらない標準形と、暑中コンクリートやマスコンクリート等に適した遅延形とがある。
その主成分の化学的組成からナフタリン系、ポリカルボン酸系、メラミン系、アミノスルフォン酸系に分瀕される。ただし、この分類は、あくまで便宜的なもので、同系統に属していてもコンクリートに用いたときの性能は、主成分の化学構造が全く同じでないこと、配合されている副次成分の違いなどから必ずしも同一ではない。
高性能AE減水剤は、従来のAE剤やAE減水剤と同様にプラントでミキサーに投入し、他の材料と同時に練り混ぜる方式により、プレーンコンクリートに対し減水率を16~25%程度にすることができる化学混和剤であり、特にスランプロス防止に重点をおいて開発されたものである。
高性能AE減水剤の主な機能は、①高いセメント分散作用、② スランプ保持作用であり、用途としては次のようなものが挙げられる。
なお、最近では、JIS A 6204の 規格に適合し、従来の化学混和剤にはない新たな機能を付与したタイプが使用されている。例えば、収縮低減成分や増粘成分を各種減水剤などと一液化したものがあり、これらは一般に「高機能型 (タイプ)」 と呼ばれている。
① 単位水量上限規制への対応
② コンクリートの高耐久性化(単位水量の大幅低減)
③ 高流動コンクリートの製造
④ 高強度コンクリートの製造
⑤ 単位セメン卜量低減による水和熱の低減等
(キ) 流動化剤
流動化剤は、あらかじめ練り混ぜられたコンクリートに添加、かくはんし流動性を増して、コンクリートの品質と施工性の改善をする混和剤である。
コンクリー卜を流動化する場合は、流動化する前のレディーミクストコンクリートからのスランプの増大量と、流動化剤によって混入されるアルカリ量をあらかじめ生産者に通知する必要がある。
なお、I類コンクリートであっても、レディーミクストコンクリートの受入れ後、荷卸し地点等で、流動化剤を添加する場合は、JIS Q 1001 (適合性評価 - 日本産業規格への適合性の認証 - 一般認証指針) 及び JIS Q 1011 (適合性評価 - 日本産業規格への適合性の認証分野別認証指針(レディーミクストコンクリー卜))の認証範囲から外れる可能性がある。このような場合には、Ⅱ類コンクリー卜として扱わなくてはならないので、その使用には注意が必要である。
つまり
コンクリートで現場監督の上司が1番気にするポイントは、
AE減水剤、高性能AE減水剤、流動化剤などのm3当りいくら
というコストが掛かってくる混和材です。
なぜなら
100m3で400円ずつ違えば、40,000円、現場トータルで
4,000m3あれば1,600,000円違うからです。
そこには、当然品質や施工性がセットでついてくるのですが、
ギリギリで多少犠牲にしながらでも儲けていくのが現場です。
例えば
あなたの現場にも来ている鳶さんや左官さんにしても、
こういう考え方でのぞめばコスト低減できるかも知れませんよ。
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