前回までで杭の支持層が想定地盤より高い場合をお伝えしたが
今回は逆に、想定地盤より低い場合についてお伝えする。
具体的な話に行く前に1つどうしても伝えておかなければ
いけない事があるので、よく聞いて欲しい。
想定地盤より高く支持層が出た場合で所定の深さまで掘削すると
より強固な地盤まで掘り進める事になる。
だから
品質的には問題が発生しないので、敢えて設計変更を避けて
来たケースも紹介させて頂いた。
しかし
杭の想定地盤より低い所に支持層がある場合は、
「当初設計通り」という事は有り得ない!
必ず、支持層として期待される耐力のある地盤まで掘り進めよう。
もしも、あなたが「そのままで良いや」なんて思ってしまうと、
新たな「杭の偽装問題」に発展する恐れがある。
杭の偽装問題の結末は知っているよね。
そして、どのくらいの損害になるかもね。
では
早速、既製コンクリート杭からはじめて行こう。
既製コンクリート杭は当たり前だけど製造までに時間がかかる。
だから、現場がスタートする頃にはかなりの割合の杭が
製造済みである。
更に
足りない分だけちょっと足すことも出来ない。
だから、もしも杭の長さにバリエーションがなくて
取り合えず現場内の材料でやりくりが出来ない場合は、
工場で「再製作」になるのだ。
当然だけど、再製作の間は現場はストップする始末。
何とも避けたいげんじつだよね。
では
あなたなら既製コンクリート杭が3本継ぎの場合は、
上杭、中杭、下杭のどの杭を再製作させる?
私なら「中杭」を再製作させるし、設計者も杭業者も
中杭を再製作するこを勧めると感じる。
なぜなら
- 支持層までの長さが延びるなら中間が延びるのが合理的。
- 中杭が大抵の場合は一番早く出来る。
- 中杭が一番コストが安い。
ので、中杭をすぐに再製作かけようね。
次に
場所打ちコンクリート杭の場合は、コンクリートは
実際に打設する時にしか関係ないので、調整すべきは、
鉄筋である。
そこで
取り合えず他の杭の鉄筋を順送りで消化していくしかない。
最後の方に打設する杭の材料で一時的にその場しのぎを行い、
同時に、不足分の鉄筋を市場からかき集めてくる。
鉄筋の種別によっては、なかなか入手しづらいかも知れないので、
最悪はロールで発注しなくてはいけないかもね。
今回も長くなりそうなので続きはまた次回。
この記事へのコメントはありません。