既製コンクリート杭の試験杭の立ち会いをしていると
工事監理者さんから時々依頼されることがある。
それは
「支持層のサンプルが取れないかな?」
という依頼である。
なぜなら
土質調査のサンプルと実際に掘削した支持層のサンプルを
比べることで「支持層に到達した」という確証を得られるから。
なぜなら
場所打ちコンクリート杭のアースドリル工法では、
実際の支持層が掘削時に出てきて深さごとに「掘削土」を並べて
土質調査のサンプルと比べるのが通例であるから。
だから
場所打ちコンクリート杭をたくさん経験されている工事監理者さんが
よく支持層の確認をお願いしてくるのである。
しかし
既製コンクリート杭のプレボーリング埋込み工法の場合は、
掘削を行うと言っても掘削土を地上まで掘り上げる事はしない。
水(安定液も含む)を使用して地中内の土をドロドロに撹拌する
というイメージを持ってもらった方が良いのだ。
すると
勘の良いあなたはお気づきかも知れないが、支持層は上がってこない。
支持層の地盤は地中深くで撹拌されてお終い。というのが実情である。
ただ
それでは忍びないので、事情を説明して
「上がって来たものは本当に支持層の物か分かりませんよ」
と念を押してから出来るだけロットを回転せずに引き上げてもらって
先端部分に付いた支持層の「礫(れき)」が無いか?を確認する。
結果として、何らかの礫が付着していれば工事監理者さんは
「うむうむ」と満足そうにしている。
実際はどこの地層の部分の礫なのかは分からないけどね。
ということで、工法によって必ずしも支持層が確認出来る
という訳では無いということだけ覚えておいてね。
つまり
プレボーリング埋込み杭工法の既製コンクリート杭の場合で、
支持層のサンプルを見たいというリクエストに関しては、
出来ないことは無いけど、それが本当に支持層のものかは怪しい。
ので、結果が良くても悪くても参考程度にしてもらおう。
そして
既製コンクリート杭の場合で支持層が見たいという工事監理者さんは
全て分かった上で敢えて聞いてきている場合と、全く理解していないという
場合の両方があるのでコミニュケーションを取りながら
「相手が何が言いたいか?」
を探るのが非常に大切だよ。
更に
相手の関心事についてはこちらが参考になるよ。
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