隅柱や側柱において3次元的に考えるべき納まりと言われても
あなたはピンと来ないかも知れませんね。
そこで
今回は、まず「鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説第5版 [ 日本建築学会 ]」
の該当部を確認してみましょう。
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解説図3.11 折曲げ筋挿入に必要な鉄筋のあき
解説図3.12 折曲げ筋挿入に必要な鉄筋のあき最小値
側柱では,2次筋が折曲げ筋であっても,一方向のみの定着を考えればよいが,隅柱では1次筋・2次筋とも定着折曲げとなるので,3次元の検討が必要となる,特に2段筋,それも側筋の2本のみでなく,梁断面内側にも2段筋がある場合には. X, Y方向の鉄筋が突き当たることが多いので,設計の段階で納まりを十分に検討しておかなければならない.
これでも、いまいちピンと来ないかも知れませんので
ここから補足をしていきますね。
まず
隅柱や側柱の特徴は「端」に配置されているということです。
例えば
「側柱」はX方向は梁が両側にあって、主筋も引き通して配置できるが、
Y方向は一方からきた梁の主筋が柱内でアンカー定着をしています。
「隅柱」は、先程の側柱のアンカー定着が、X方向にもY方向にも
発生している状態のことを指しています。
だから
隅柱や側柱の部分では、かならず「主筋の配置とアンカー定着の干渉」
について検討する必要があるのです。
そこで
実際にアンカー定着を検証していくのですが、まず柱の躯体の外部より
かぶりを引いた一番外側にあるのが「フープ筋」です。
次に、「柱の主筋」その内側へ梁のアンカー定着が納まってきます。
しかし
最近の配筋ではアンカー定着の種類も「折り曲げ」の1種類ではありません。
例えば
「定着板」による納まりであれば主筋が過密に入っていれば
定着板同士が干渉してしまう場合もあります。
もしも
定着板同士が干渉してしまうため、納まりの奥行き方向をずらして
配置した場合は、2段筋は手前側の定着を板より前に納まります。
そこで、柱の水平方向の必要な距離(設計図書に定められた数値)
をクリアしているか?確認しなければいけません。
更に
直交方向の主筋が、今配置している鉄筋の「どの間を通るのか?」
を検討する必要があるのです。
特に
直交方向の鉄筋に2段筋などがある場合は、複雑になりますし、
なにより「鉄筋は90度直角に曲げることが出来ず、Rをつけて曲げる」
ので、平面的にCADで検討していると、折り曲げのR部分に対して、
直交方向の主筋が干渉してしまう可能性があるのです。
だから
頭のなかで3次元的なイメージを持って検討する必要があるのです。
つまり
隅柱や側柱において3次元的に考えるべき納まりとは、
梁の端部の鉄筋と柱の主筋が干渉して、配筋が出来なかったり、
梁筋が柱への所定の水平距離を確保できない恐れがあるということです。
更に
梁筋が多段で納まっている場合は、一見平面的に大丈夫そうに見えても
3次元的に検証すると2段筋や3段筋が干渉して納まらないという
現象が現場で発生する可能性があるからです。
えっ
「3次元的に鉄筋の納まりを考えろって言われてもどうするの?」
というあなたにはこちらの記事がオススメですよ。
何事も「自分で試す」というのは大切です。
「こうすればどうなるのだろう?」というあなたの頭の中のモヤモヤは
自分でいじくって確認しないと取れませんからね。
私が今回3次元モデルを載せて説明しなかった理由も
そこにありますからね。
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