調合強度で生コンクリート工場の品質レベルが分かる?

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「この生コン工場、品質あまり良いとは思わないけど、
 強度だけはバカみたいに出るから安心だよな~」

 

とか

「この生コン工場、評判良いけど試験結果が結構ギリギリな事があるから
 たまにヒヤヒヤしてしまうよな~」

という感想を持った事はあなたは無いですか?
私は工場の固有名詞は出しませんが、どちらも経験があります。

 

そこで

今回は、生コン工場の品質と強度のバラツキについてお伝えします。

 

まず

今回は先に「建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]
の該当部分を確認して貰ってからの方が説明しやすいと感じますので、
先に調合強度(F)の算定式を重点的に確認してください。

 

P.389

(c) 調合強度(F)は、一般的には標準養生した供試体の材齢 m日おける圧縮強度で表し、6.3.3式を満足するように定めることになる。

F≧Fm + α x σ (N/mm2) … (6.3.3式)

ここで、αは、コンクリートの許容不良率に応じた正規偏差で、σは、強度のばらつきを表す標準偏差である。「JASS5」では、αを許容不良率 4%に相当する1.73を用いている。また、σは発注するレディーミクストコンクリート工場の実績に基づいた値を用いればよい。もし発注するコンクリートの生産実績が少ないなどの場合には、2.5N/mm2又は0.1Fmの大きい方の値を用いるとよい。

 

先程の算定式で何が分かるか?というと、工場ごとにどのくらい「余裕」
を持って強度を推定してコンクリートを製造しているという事です。

 

具体的には

F≧Fm + α x σ  の「α x σ」の部分が標準偏差値としての余裕分です。
こちらの、余裕部分が少なければ少ないほど、製造側のコストメリットが
あると考えています。

 

例えば

30Nの強度を目指そうとすると、30Nに
1.73×0.1F = 1.73×3 = 5.19 N
で、5Nくらいは上を目指してコンクリートを製造する事になります。

 

すると

単純に目指す強度が上がると言うことで、セメント量を増やしたり、
セメント量が増えたことにより他の配合もコストが高くなる方へ
シフトしていくのです。

 

更に

先程計算した0.1Fの部分についてはσとして工場の実績値となるので、
実績を沢山積んで、σの値をギリギリまで小さくすることが出来れば
割増の強度の値が少なくなり、製造コストもおさえることが出来るからです。

 

だから

自分の工場で製造されるコンクリートの特性を知れば知るほど
強度試験の値はギリギリクリアーする程度となるのです。
その場合は、私たちは生コン工場を信頼して一喜一憂しないことが
大切だという事です。

 

つまり

調合強度は、この数値を目指して生コンを配合すれば、
材料などによる誤差を含めても最終的に求める強度が
得られるという強度で、算定式は下記であらわされます。

F≧Fm + α x σ (N/mm2)

σの部分は生コン工場ごとの実績に基づいた標準偏差の値となり、
σの値が大きいと実際に目標とする調合強度の値が大きくなるので
コストメリットがあるとは決して言えないと考えます。

 

だから

出来るだけ標準偏差にバラつきがないσ値が小さい方が
「狙った通りの強度」が出やすいという事になります。
それだけ材料を熟知してたくさんの経験を積んでいるからでしょうね。

 

しかし

経験を積めば積むほど出来なくなることもあるのも事実です。
「えっ、何で?」というあなたはこちらへ。

↓ ↓ ↓

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