地下水位の高い現場をオープンカットで施工した悲劇とは?

Sponsored Links
/* */

 

地下水位が掘削床よりも高い場合は
山留めを行なうべきだと強く感じている。

 

しかし

山留めのm数がかなりの長さになる時は
コストの事を考えてオープンで掘ろうと考える人も実際にいる。

 

これは

私の経験した現場ではないが後輩と飲んでいる時に

「やってられませんよ~」

と言っていたので共有しておこう。

 

それは

とある建築面積の広い現場であった。
地下水位が掘削床よりも50~100cm位高いので
確実に掘ったら地下水が出る状態である。

 

そこで

その現場の所長は「オープンカットで掘削」を
選択したのである。理由は「コスト削減」以上。

 

実際に

掘削を行っていくと、水中ポンプを据えながら
なんとか進んでいけるレベルであったが、
一度雨が降ってしまうと、たまり水と周囲からの
湧き水が一気に増大して水中ポンプの能力オーバー
になってしまったのである。

 

すると

土工さんだけでは足りずに職員も水替えを手伝わないと
とてもとても作業ができるような状況では無かったらしい。
来る日も来る日も水替えに追われる日々が続いたのだ。

 

しかし

大変なのは水替えだけでは無かった。
掘削床などに水たまりが出来たりすると周囲の法面の崩壊が
いたる所で始まるのである。

 

今度は

崩壊した法面の土砂を取り除くのに多大な労力が掛かってしまうのだ。
しかも、型枠の組み立て終わった所なら放っておいても品質上問題ないが
鉄筋の組み立てが終了したての状態で、鉄筋の下に土砂が入ってしまったら
非常に取り除くのに労力が掛かってしまうよね。品質的にも放っておくことが
出来ないので、意地でも取らなければイケないから余計に気が滅入る。

 

更に

職員や土工さんたちがこんなに大変な水替え作業を行って
何とか基礎部分が終了したら、所長が

「なんだ出来るじゃないか」

と一言いったときにはブチ切れそうになったと言っていたよ。
コストも大切だけど、その他の部分も合わせてトータルメリット
のある施工方法を選択したほうが現場の能率はきっと上がると
私が常々感じているけどね。

 

つまり

地下水位の高い現場をオープンカットで施工した悲劇とは、
来る日も来る日も、職員を始め土工さんたちが
次々湧き出して止まらない水替えに明け暮れたこと。

 

そして

土砂の崩壊と、復旧のいたちごっこの毎日であったこと。

 

更に

1番悲劇なのは、「なんだ出来るじゃないか」
と感じた上司がいたことである。

品質も作業する人の気持ちもへったくれもない
散々たる結果であったと私は感じているよ。

人の上に立つものはこのような考え方であって欲しいな。

↓  ↓  ↓

  • コメント: 0
banner11

Sponsored Links


関連記事

  1. ガス圧接可能なのはどれ?異種、異径、ネジ鉄筋、高強度、製造所違い

  2. コンクリート打設でトラブルになりそうなポイントとは?(階段編)

  3. 捨てコンクリートの数量が計画通りに収まらない3つの理由とは?

  4. 生コンクリートを現場に運搬する前に検討すべき5つの事とは?

  5. フレア溶接も立派な鉄筋継手の一種!施工上の注意点とは?

  6. 試験杭で想定地盤と違っていたらどうする?支持層より高い場合(2)

  7. 既製コンクリート杭の高止まり、低止まりに備えよう

  8. 主筋のかぶり厚さを一定以上取らないと起こる耐力低下とは?

  9. 溶接閉鎖型フープ(帯筋)のメリットとデメリットとは?

コメント

  • コメント (0)

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

プレゼント付無料講座開催中
kouza
仮設 syoseki
プロフィール
myImage

作者:TM


私の職業は「建築現場の現場監督」。
何だかんだで15年働いている。
その15年分のノウハウを若い現場監督さんのために、全て暴露しくよ。

なぜ、キツイ建設業界で働き続けているのか?
その秘訣がしりたいあなたは
今すぐこちらをクリック

↓ ↓ ↓

詳しいプロフィールはこちら


あっ、
ただし「社外秘」や「会社独自の技術」じゃ無いよ。
あくまで、「私個人の感じる本音」だよ。
最新記事・おすすめ記事
  1. 仮設構造計算システムをアップデートしました。Ver.2…

  2. 仮設構造計算システムをアップデートしました。Ver.2…

  3. 鉄骨工事の中で自然と行われている「環境的な配慮」…

  4. 鉄骨の製品検査に工事監理者さんを連れていくのは当…

  5. 鉄骨工事の工事現場施工要領書に関するチェックのポ…

  1. 一級建築士の資格勉強を始める時期はいつからか?と…

  2. 在宅勤務になり建築現場に配属されない時の学習方法…

  3. 最上階の梁の定着は一般解の梁と何が違うのか?

  4. TMです。新年明けましておめでとうございます。【悩…

  5. 工事写真をスマホで管理する時代が到来!Photo Manag…

人気記事ランキング
月間週間デイリー
ブログランキング
にほんブログ村 住まいブログ 現場監督へ