杭の頭部に鋼管が巻かれている場合は、既製コンクリート杭、
場所打ちコンクリート杭、鋼杭に限らず杭頭補強筋を「溶接」
することが多い。
しかし
実際に溶接をする前に、図面をよく見ると「あれっ?」と
感じることが実際には多いのである。
それは
実際に「溶接すべき長さ」はいくらなのか?という問題。
具体的には
杭の頭が基礎底の面より200mm出ているとする。
そこで、溶接長さが180mmと記載されている場合に、
記載されている180mmという数字は、溶接の「有効長さ」
かどうか?ということで悩むのだ。
隅肉溶接などを行う場合は、先端と終端は溶接の不良部分が
なりやすいので、のど厚分だけ両端を余分に溶接することになる。
そして、規定の溶接の有効長さ分は「良質な溶接」を確保できるのだ。
しかし
先程の例をとると、180mmにのど厚の2倍を足すと、
200mmを超す場合がほとんどである。
つまり
基礎底より杭が突出している部分を全て溶接しても
溶接の有効長さとしては足りないという結果になるから。
そこで
私自身、いくどが構造担当者へ溶接長さについて質問をすると、
「のど厚分も考慮していますので単純に180mm溶接して下さい」
という回答が返ってくることがほとんどであるが、
構造担当者の考え方次第では違ってくる可能性もあるので
あなたが同じシチュエーションを経験した場合は、
確認してみてはいかがでしょうか?
つまり
杭頭補強筋の溶接長さに関して構造上いつも迷う事とは
溶接長さは、記載されている長さが「有効長さ」なのか?
という内容である。
と言うのは
記載されている溶接長さにのど厚を足してしまうと、
現実的に施工不可能な状態になることが多いからである。
そこで
過去に確認した所、構造担当者の多くは、記載されている長さで
溶接の有効長さ+のど厚x2を満たしている。という回答を頂いているが
あなたが実際に施工する場合は、確認したほうが良いかもね。
ちなみに
設計事務所への質疑回答についてはこちらを参考にしてね。
↓ ↓ ↓
http://www.j-bar.jp/product/
従来杭頭補強筋の問題点
TM様、いつも有意義なサイトを拝見させて頂きありがとうございます。
杭頭補強筋溶接工事ですが該当するJASSの書籍などが無く困っております。
管理基準(チェックシート作成)として杭毎に
・鉄筋の本数
・鉄筋の材質
・鉄筋の径
・鉄筋相互のあき寸法
・溶接長
・定着長
・鉄筋の下端から捨コンまでのかぶり
・SA-2V、3Vの溶接技能者
などがあげられると思います。
ただ、溶接そのものに対して下記の基準がわかりません。
・溶接ワイヤの種類(強度は?)は?
フラックス入でないといけないのは解ります。
・マルチパス、単パスどちらでもいいのか?
・溶接入熱の上限は無いのか?
・マルチパスの場合パス間温度の上限は無いのか?
・杭頭は廻し溶接をしない方が良いと考えるが根拠を記載した基準はないか?
などご存じであればご教示頂けると幸いです。