スペーサーの防錆処理とかぶりと仕上げの問題について

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スペーサーは型枠などに直接触れていているが、同時に
鉄筋を型枠から適切な距離を確保するために使用する。

 

だから

もしもスペーサーが錆びてしまったらコンクリート表面に
錆が現れてトラブルの原因となるのは間違いない。

言うならば、型枠を所定の幅として確保するセパレーター
の端部が錆びてしまうのと同じで使用場所によって
どのような種類を選定するか検討が必要になる。

 

だから

合成樹脂製のスペーサーはともかく、鋼製のスペーサーは
接地面になんらかの「防錆処理」がしてあるものがほとんどである。

 

例えば

鋼製のスペーサーの接地面に樹脂製のキャップを被せてあったり
樹脂製の塗料がほどこしてあったりする。

 

そして

以前の記事にも書いたけれどもスラブのスペーサーは
合成樹脂製のものを使用してはいけないとされている。

 

だけど

私は個人的にバルコニー天井などで等間隔の錆跡を
見たことがあるのは、鋼製のスペーサーからの「錆」で
あることは容易に想像できるために、同様のトラブルを
防ぐためには何らかの検討が必要になってくると感じるよ。

 

逆に

仕上げで天井を貼るタイプのコンクリートスラブについては
プラスチックキャップや防錆塗料処理で錆びることがないから
十分有用であるはずなので、仕様からすると鋼製を使用しても
全く問題は発生しないと感じるよ。

 

だから

様々な仕上げの状態によって適切に使い分けるほうが
私は非常に効果的だと感じているけどね。

その場合は合わせてスペーサーのピッチについても
合わせて確認をとることをオススメするよ。

 

最後に

建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]」の該当部分を確認しておこう。

 

P.298

(5)「標仕」5.3.3では、型枠に接する部分に防錆処理を行ったスペーサーを使用することにしている。防錆処理を行う範囲の規定はないが、最小かぶりの範囲は防錆処理されていることが望ましく、今後、そのようなスペーサーが入手できるようになることが期待される。
なお, 防錆処理されたスペーサーには, 次のようなものがある。

(ア)「標仕」表14.2.2 のC種(JIS H 8641(溶融亜鉛めっき)で2種 DZ35)以上の防錆処理したもの。ただし,海岸等腐食が激しいところで使用する場合には検討が必要である。
(イ) 鋼製のものにプラスチックコーティング又はプラスチックパイプを挿入したもの。

(6)一般に使用されているスペーサーを表5.3.2 に示す。
このほかに,梁底,基礎底等に使用するコンクリート製のスペーサーがある。
なお,モルタル製のスペーサーは,強度及び耐久性が十分でないものがあるので性能を確認して使用する。

表5.3.2 スペーサー

使用場所 壁,柱,梁 スラブ
合成樹脂裝
鋼製

( 注) スラブには合成樹脂製のものは使用しない。

 

つまり

スペーサーの防錆処理とかぶりと仕上げの問題については、
スラブのスペーサーは「合成樹脂製のものは使用しない」
と建築工事監理指針にあるが、仕上げが直仕上げで
左官によってサンダー掛けを行うような場合は数年後に
「錆」となって不具合が露呈する場合があるということ。

 

だから

使用場所とピッチをあらかじめ工事監理者さんと打ち合わせて
不具合を無くす努力をしたり、最悪の場合はあなたの身を守るために
「協議した議事録」を残すことはトラブル対応として非常に大切だよ。

 

あっ

トラブルと言えばこちらも合わせて確認しておこうね。

↓  ↓  ↓

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