鉄筋工事における「かぶり厚さ」の基本の「キ」(部位別)

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今回で3回目の「かぶり厚さの基本の「キ」」は部位別のかぶり厚さ
についてお伝えするのだけど、以前の記事を読みたいあなたはこちら。

 

まずは

鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説第5版 [ 日本建築学会 ]」の該当部分を確認して欲しい。

解説表3.1 最小かぷり厚さ

部材の種類 短期 標準・長期 超長期
屋内・屋外 屋内 屋外(2) 屋内 屋外(2)
構造部材 柱・梁・耐力壁 30 30 40 30 40
床スラブ・屋根スラブ 20 20 30 30 40
非構造部材 構造部材と同等の耐久性を要求する部材を行う部材(1) 20 20 30 30 40
計画供用期間中に維持保全 20 20 30 (20) (30)
直接土に接する柱・梁・壁・床および布基礎の立上り部分 40
基礎 60

(1) 計画供用期間の級が超長期で計画供用期間中に維持保全を行う部材では, 維持保金の周期に応じて定める.
(2) 計画供用期間の級が標準, 長期および超長期で, 耐久性上有効な仕上げを施す場合は, 屋外側では, 最小かぷり厚さを10mm 減じることができる,

こちらの表を見てあなたはいくつかの法則に気がついたかも。
その法則に基づいてベースの数値を覚えておけば全体の数値も
きっと覚えやすくなるのではと私は感じているよ。

 

ちなみに

私が考えている法則は以下の4つ。

  1. 建物全体の構造をになう部位のほうがかぶり厚さは大きい
  2. 屋外に使用する部位の方が屋内の場合よりかぶり厚さは大きい
  3. 土に接する部位は接しない部位よりもかぶり厚さが大きい
  4. 耐久性上有効な仕上げを有する場合はかぶり厚さの軽減がある

 

まずは

構造部材と非構造部材とでは構造部材ではかぶり厚さが違うこと。

非構造部材に関しては、地震動に対する影響を負担せずに、
自重や積載荷重のみを負担するのに対して、構造部材は
地震動などの外力の影響などがあるのかなと想像してしまう。

 

そして

柱や梁の主筋のかぶりは呼び名の1.5倍以上が望ましいとされる。
すると、壁やスラブに対して必要なかぶり厚さが必然的に大きくなる。

 

次に

屋外に使用する部位の方が、太陽光による紫外線や風雨にさらされる為
必然的にコンクリートの劣化が激しくなるのは想像できるよね。

コンクリートが劣化して中性化すると鉄筋に対して錆が発生する
危険性が増えてくるので、屋内環境に比べてコンクリートの劣化の
影響などをふまえてかぶり厚さを多くとっているのだと感じるよ。

 

3つ目は

土に接する部位は、接しない部位よりも水分にさらされる可能性が高い。
鉄が錆びるには空気と水分が必要なので土に接する部位はかぶり厚さを
大きく取ると考えると納得できるよね。

 

また

土に接する部位は普段見えないので劣化具合もわからないし、
いざ補修をしようとしても物理上できない部分もたくさんある。
であれば、かぶり厚さを十分にとっておけば幾分安心だよね。

 

最後に

耐久性有効な仕上げを有する場合はかぶり厚さの軽減があるというのは
具体的には、タイルや石のような仕上げで吹き付けタイルなどは含まれない。
コンクリート打設後に左官屋さんが補修に入るような仕上げは含まれないと
考えるのが一般的だね。

耐久性上有効な仕上げがあれば、風雨や紫外線にさらされないので
屋内扱いと同等になると考えると納得がいきやすいかな。

 

つまり

部位別におけるかぶり厚さについて覚えておくべき考え方は、

  1. 建物全体の構造をになう部位のほうがかぶり厚さは大きい
  2. 屋外に使用する部位の方が屋内の場合よりかぶり厚さは大きい
  3. 土に接する部位は接しない部位よりもかぶり厚さが大きい
  4. 耐久性上有効な仕上げを有する場合はかぶり厚さの軽減がある

この3つの考え方が基本的に頭の中にあれば大丈夫だね。
細かい数値については計画供用期間が「標準」の場合くらいは
覚えておくべきだと感じるけど、あいまいなら都度図面を確認
するという方法もあるからね。

 

でも

実際の現場で使用するのは、今回の表に載っている「最小かぶり」
ではなく「設計かぶり」のはずなので、どうせ覚えるなら設計かぶりかな。

 

えっ

「設計かぶり」って何?というあなたのために今回のシリーズの最後は
最小かぶりと設計かぶりについてお伝えするよ。

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